同じテーマで角度を変えて、何度でも記事を書く方法

「ブログのネタが尽きてしまった」「同じことばかり書いている気がする」そんなふうに感じる方は多いと思います。
ひとつのテーマで複数の記事を書くことは、思っているよりずっと簡単です。秘訣は「角度を変える」ことにあります。同じ知識や経験でも、視点や切り口、伝え方を変えるだけで、まったく違う価値を持つコンテンツに生まれ変わります。
雑誌編集の現場では、それが常に行われています。注意深く見ると、毎年同じ時期に、同じテーマで角度を変えた特集をやっています。

なぜ角度を変えることが重要なのか
ユーザーニーズはひとつではありません。同じ「コンテンツ作り」に興味がある人でも、「初心者向けの基本を知りたい方」「具体的な改善方法を探している方」「失敗例から学びたい方」など、求めている情報は様々です。
ひとつの記事ですべての希望に応えようとすると、意見が散漫になり、誰にも響かない内容になってしまいます。だからこそ、同じテーマでも角度を変えて複数の記事を書き、より多くの方に価値を届けられるようにします。
書くほうは「またこの話か」と思うかもしれませんが、視点が変われば、読むほうには新しい発見や気づきが生まれますし、テーマが切り分けられることで、わかりやすくなります。
角度を変える3つの基本パターン
私はコンテンツの話をよく書いていますが、同じコンテンツを語るにしても、いろんな見方で記事の視点を広げることができます。それぞれの見方で、私が過去に書いた記事のタイトルも交えながら、整理してみます。
ちなみに、1と2は私がよく書くパターンですが、3はあまりやっていません。

1. 視点を変える(誰の立場から語るか)
初心者向け vs 経験者向け
- 「初心者が知っておきたいコンテンツの基本」
- 「経験者が見落としがちなコンテンツ改善ポイント」
提供者側 vs 受け手側の視点
- 「信頼されるコンテンツのつくりかた」(書き手目線)
- 「信頼できるコンテンツの見分け方」(読み手目線)
過去の自分 vs 現在の自分の視点
- 「コンテンツづくりで失敗ばかりだった頃の話」
- 「コンテンツを資産にできるようになった今思うこと」
成功談 vs 失敗談の視点
- 「専門性のあるコンテンツが生み出す価値」(成功体験)
- 「コンテンツの質を数字だけで判断して失敗した話」(失敗体験)
2. 切り口を変える(どの側面に視点を当てるか)
「なぜ」vs「どうやって」vs「何を」
- なぜ:「コンテンツは資産になる」
- どうやって:「経験を価値やコンテンツに変えるには」
- 何を:「自分をコンテンツ化する具体的テクニック」
メリット vs デメリット vs 注意点
- 「コンテンツを利用した収益化戦略のメリット」
- 「コンテンツ収益化で注意すべき3つの落とし穴」
- 「収益化を急ぎすぎて失敗するパターン」
基本編 vs 応用編 vs 上級編
- 基本編:「信頼されるコンテンツの根拠の示しかた」
- 応用編:「『伝えたいこと』と『ユーザーニーズ』のズレを埋める書きかた」
- 上級編:「自分の商品・サービスのよさを伝えるコンテンツの磨きかた」
3. フォーマットを変える(どう伝えるか)
1-2で書いているテーマも、記事を書く形式を変えると、また違った記事をつくることができます。
リスト形式 vs ストーリー形式 vs Q&A形式
同じ「コンテンツの信頼性」というテーマで書く場合
- リスト形式:「信頼されるコンテンツの5つの条件」
- ストーリー形式:「私がコンテンツの信頼性に目覚めた日」
- Q&A形式:「コンテンツの信頼性についてよくある質問」
「◯つのポイント」vs「よくある間違い」vs「事例紹介」
- 「コンテンツ作りで押さえるべき7つのポイント」
- 「コンテンツ作りでよくある5つの間違い」
- 「成功したコンテンツ事例から学ぶ3つの共通点」
実際の記事があるものはリンクをつけましたが、ない記事は私がこれから書いておくといい関連記事ということになります。これらを書き上げると、コンテンツに関して知りたい方のニーズに応える記事が増え、ユーザーニーズをより満たせるようになります。
極論すると、「コンテンツ」に関する内容が網羅されることで、「コンテンツ」というキーワードに関して、私のブログの評価を上げていく一因にも将来的になっていきます。

角度を変えて書くときのコツ
角度を変えて記事を書き分けていくときには、コツがあります。

同じ情報でも表現を変える
「コンテンツの質は数字だけでは測れない」という記事と「経験こそが最高のコンテンツ」という記事は、どちらも「数値化できない価値の重要性」を伝えていますが、前者は「測定の限界」、後者は「経験の価値」という異なる角度から記事を書いています。
これらの記事も同じテーマですが、ちょっとした要素を足すだけで、がらりと内容の違う記事が書けるんですよね。
ユーザーの状況に合わせる
同じノウハウでも、ユーザーの置かれた状況によって、必要な情報や説明の深さは変わります。「信頼されるコンテンツのつくりかた」と「信頼されるコンテンツの、根拠の示しかた」は、どちらも信頼性がテーマです。
本当は1本で書き終えたかったのですが、途中で時間切れかつ分量が多すぎて、2本に分けたんですよね。ですが、「前編」「後編」とタイトルにつけると、記事が読まれにくい傾向にありますので(とくに後編)、見せ方を少しだけ変えて、タイトルを変えました。
感情に訴える要素を変える
論理的な説明だけでなく、ユーザーの感情に響く要素も大切にしたい点です。同じ内容でも「不安を解消する」「希望を与える」「共感を生む」など、異なる感情に訴えようとしてみることで、まったく違う印象の記事になります。
私は前向きになる記事を書きたい派なので、前向き系のタイトルをつけることが多いです。しかしながら、最近の流行りは、ネガティブイン・ポジティブアウトです(※ネガティブなテーマで流入して、ポジティブな気持ちになって離脱してもらう流れ)。

角度を変えて書くメリット
1. 効率的にコンテンツを増やしやすい
記事を増やしていくにあたって、一から新しいテーマを調べる必要がないため、同じテーマで記事を増やしていくことができます。すでに持っている知識や経験を最大限活用できることが、書き手にとってうれしいところです。
2. 専門性を深く示せる
また、ひとつのテーマについて多角的に語ることで、その分野への深い理解と専門性をアピールできます。これは、Googleの検索エンジンが評価するE-E-A-T(Experience, Expertise, Authoritativeness, Trustworthiness:経験、専門性、権威性、信頼性)の基準を満たすことにもなります。
※下記記事内、『「E-E-A-T」の4要素を示せるとなおよい』の項目参照。

3. SEO効果と網羅性の向上
関連するキーワードで複数の記事を書くことで、検索エンジンからの評価も高まりやすくなります。ひとつのテーマについて様々な角度から記事を書くことは、SEOの観点から見ると「網羅性の向上」につながります。
たとえば「コンテンツ」というテーマで、基本知識から応用テクニック、失敗談から成功事例まで幅広くカバーすることで、そのテーマに関する包括的な情報源としてサイト全体の専門性が認められやすくなるのです。
Googleの検索エンジンは、特定のトピックについて深く、幅広く情報を提供しているサイトを高く評価する傾向があります。
私が書いた「コンテンツの質は数字だけでは測れない」「信頼されるコンテンツのつくりかた」「経験こそが最高のコンテンツ」といった関連記事が豊富にあることで、「コンテンツづくり」に関する総合的な情報サイトとして認識され、サイト全体の検索順位向上にも貢献します。
4. ユーザーの様々なニーズに応えられる
同じテーマに興味があっても、求めている情報は人それぞれ異なります。多角的な視点でひとつのテーマに関する多数の記事があると、より多くのユーザーに価値を提供できるようになります。
たとえば、「コンテンツ」について調べている方が、私のブログに来たとき、コンテンツに関する記事が多くあるため、まとめ読みすることができるわけです。同じテーマで違う視点の記事があると、情報収集している方にとってはひとつのサイト訪問で、より深掘りした情報を得られることにもつながるためです。
実際、このブログはコンテンツ系のキーワードで流入したユーザーのサイト滞在時間が、ツールや独立系のカテゴリと比べて、2倍以上の滞在時間となっています。

新しい切り口は奇抜な発想でなくていい
「同じことしか書けない」と悩んでいるとしたら、それは視点がいつも同じ場所に固定されているだけかもしれません。
同じテーマでも、誰の立場から語るか、どの側面にフォーカスするか、どう伝えるかを変えるだけで、無限に記事のアイディアは生まれます。知識や経験は、角度を変えることで何倍もの価値を生み出すことができるのです。
ですから、同じテーマでも違う角度から書くことを意識してみてください。きっと、これまで気づかなかった新しい切り口が見つかると思います。思考の訓練だと思ってやってみると、どんどん発想が広がりますので、やってみると意外と楽しいです。