Clubhouseが変えた動画・音声の配信に対する参入障壁

日本でのローンチから1か月強、Clubhouseの今
twitterのように長く使われるツールになるかどうかはまだまだこれからだと思いますが、ログが残らないからこその面白さ・希少さ、リアルタイムならではの楽しさ、誰もが壇上に上がって話してつながる、ある種のセレンティピティが生まれる魅力から人気を集めています。
一方で、セキュリティ問題やルームからの情報漏洩問題などをリスクと捉える方も増えてきました。とくに、中国企業のAgoraに音声データへのアクセス権があり、中国国内のサーバーにデータが保管されている場合、音声データを中国政府が入手できる可能性があるとアメリカ・スタンフォード大学研究者グループが発表していることから、インフルエンサーの一部は静かに場を退いていることも見逃せません。
Clubhouseでユーザーが気づいたこと
この一大ムーブメントによって詳らかになったのが、動画・音声の配信に対する参入障壁が低くなったことだと思います。誰でも“壇上に上がって話せる”ことで、インフルエンサーの話をリアルタイムで聴き、質問できたり、普段話せない方と趣味趣向を軸に気軽に話せる場が生まれました。
加えてルームの人数が多かろうと少なかろうと、ルームに入ってテーマに基づき人前で話したり、名前や顔を出してオンラインでおしゃべりすることで、結果、音声配信の便利さに気づき始めています。twitterはおもに文字を読んで書いて人とつながりますが、楽しく使うには能動的に書くことが必要です。
その点,Clubhouseはフォローして聴くだけ。ルームに入れば会話を通じて気軽にコミュニケーションできますし、ラジオのように聴き流しできるのも魅力。この簡便さはtwitterにはないものです。
企業にとってのClubhouse
セキュリティ問題は今後も注視する必要がありますが、ここには可能性があると思っています。今後もオンラインセミナーは継続して開催されていくと思われますし、ウェビナー終わりにClubhouseで登壇者と参加者による軽い交流会的なものに使ったり、採用説明会の後のコミュニケーションの場として使うなど。初見の方と気軽に集って話す場として有効ではないかと考えています。
画面写りがあると顔なり部屋なりのセッティングが必要になりますが、Clubhouseはそれらを気にせずに使えますし、声だけで参加できる気軽さもいいですよね。人数をたくさん集めないといけないプレッシャーも気にしなくていいと思いますし。
なにより、音声のクリアさがWeb会議ツールに比べて格段にいいので、PC環境下における声の聴き取りにくさへのストレスが発生しにくいことも、話しやすさにつながっていると思います。
動画・音声配信の価値が見直されている
ところで、Clubhouseを使っていて私は猛烈に焦りました。何に焦ったかというと、動画マーケットへの参入です。マーケターとしては「いい加減動画と音声配信をやらないとなあ……」とちょっと低めのテンションだったのですが、いまやお尻に火が付いた格好。Clubhouseでみなさん薄々気づいていると思うのですが、顔や声が聴こえるコミュニケーションのリアリティや迫ってくるものがありますよね。人柄もそうですし、声のトーンから伝わるその人の佇まいや想いの伝播性にも。
折しも『2030年:すべてが「加速」する世界に備えよ』という本を読んでいまして、こんなツイートをしました。
『2030年:すべてが「加速」する世界に備えよ』
面白い。AI、VR、暗号技術、3Dプリンタなど、一見自分ごととは遠く見える先端技術が、近未来双方向に融合し、暮らしの一部になる様がありありと描かれている。テクノロジーってやっぱり面白い。これらを体験するためにも楽しく働き続けたいと思った。 pic.twitter.com/fPCu6WbiNJ
— まてぃさん |マーケの人 (@matty3com) 2021年2月23日
文字数が足りなくてtwitterでは書けなかったのですが、先端技術が実現するライフスタイルには、人々の世界には音声や動画がベースとなり(その境目もいずれ融けていく)、物事や行動の選択を行うことが描かれています。これはマーケティング視点で言うと、動画や音声をもとにしたマーケティングが今以上に必須になるということです。理由もなく「動画やらなきゃ」と焦っていた私の無意識はこのことに朧気ながら気づいていたのだと合点がいきました。
5年ぐらい前にも同じように焦って動画教室に通い、ノウハウはそこでなんとなく覚えたのですが、細かさに辟易して必要最低限しか関わらないようにしていました。しかし、その間に配信ツールや編集ツールも革新的に進化しました。私のような気持ちを持っている方、参入するタイミングは、たぶん、今です。一緒に入りませんか(笑)。
初心者がミラーレスを買ったきっかけはタク先生のライブ配信
やや余談になりますが、「私も動画をやろう!」と明確に意識したのは、医療画像の研究をなさっている医師・タク先生のライブ配信を拝見したときでした。何より映像がとてもきれい。お話も聴き取りやすく、ずーーっと見てしまいます。
以下でご紹介しているのは先生が公開されている自己紹介動画。おひとりで何をお話しされるのかな? と思い拝見していたら、フォロワーの方とおしゃべりしながら配信されているんですね。配信環境をユーザーの方にコメントいただきいながら調整されているのにも、ほっこり。
タク先生のお人柄あってのことだと思いますが、YouTubeはこういったコミュニケーションが可能になるのがおもしろく、楽しく、温かい。これも動画ならではです。そういうの、私もやりたいと思いました(できるかどうかは別として)。
タク先生をきっかけにミラーレス一眼のことを調べ始め、今や毎日愛でるべき存在ともなったSONY α7SⅢを買うに至りました。ついでにいうと、散歩動画を撮りたくて、オスモポケットも買いました。完全に沼ってます。


動画・音声配信が生む温かさがコミュニケーションの柱に
そういうわけで、現在はカメラ沼に入っていますが、機器にはそんなに興味がないのですぐ飽きると思います(たぶん)。最も興味があるのは、YouTube村の村人になることです。Clubhouseを通じて感じたのは、動画・音声配信から生まれるコミュニケーションの濃さです。こういったコミュニケーションの形は、あと数年でより身近に、よりスタンダード化されていくことが予想されます。
現に私自身、YouTubeに自分が参入しようと閲覧し始めると、見るチャンネルもがらりと変わりました。YouTubeの「チャンネル登録」をして配信を楽しみにするようになってみて、配信者が発信する情報への期待度、楽しみ方にテキスト文化とはまた違う楽しさ、ワクワク感を感じます。またチャンネルを通じて配信者と生まれるコミュニケーションの温かさみたいなものが、これまでとは少し違うつながりの濃さを生み、動画・音声の柱になっていく気がしています。