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テキストコミュニケーションで意識していること

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テキストコミュニケーションで意識していること

テキストコミュニケーションで意識していること

テキストコミュニケーションを日常的にしていると、誤解や行き違いが生まれた経験があると思います。テキストコミュニケーションは意識するポイントを押さえれば、その悩みは起こりにくくなります。適切な表現方法や相手との関係性を築くコツを身につけることで、コミュニケーションの質を上げ、信頼関係を築くこともできます。

私自身、デジタルマーケティング職になって以来、十余年テキストコミュニケーションの試行錯誤を重ねてきた中で、テキストコミュニケーションで意識しているポイントを書いてみます。

1.タイトルで用件がわかるようにする

テキストコミュニケーションにおいて、タイトルは非常に重要で、メールやチャットでは、タイトルを見ただけで用件が把握できるよう気をつけています。

具体的には、

【お願い】〇〇の件
【ご報告】〇〇の結果
【お伺い】〇〇について

など、用件を明記します。タイトルに用件を盛り込むことで、受信者は内容を予測しやすくなり、タイトルを見ただけで用件を把握できるので、話が早くなります。

また、タイトルには期限や優先度を含めることも多いです。「【4/5まで】〇〇をお願いします」「【ご確認依頼】〇〇の件で確認が必要です」といった具合に、タイトルで重要度が伝わるよう書くことで、受信者の注意を引き、適切な対応を視界に入った瞬間からお願いすることができるからです。

2.相手に何をしてほしいか誤解が生じる余地をなくす

テキストコミュニケーションでは、相手に何をしてほしいのかを明確に伝えることがやり取りのコツだと考えています。曖昧な表現や遠回しな言い方では、相手が求められているアクションを理解しにくく、結果的に業務の遅れや誤解を招く可能性があるからです。

ですから、メールやチャットでは、相手に具体的な行動を促すような表現を使うようにしています。

たとえば、

「〇〇の資料を作成してください」
「〇〇の件で決裁をお願いします」
「〇〇の会議に出席してください」
「○月○日○時までにご確認をお願いします」

など、相手に何をしてほしいかわかるように書きます。

とくに注意したいのが、「できるだけ早く」「最優先で」「至急」などの期限に関する表現です。明確に期日を示しにくいほど締切が迫っており、かつ言いにくいときにこの表現がよく使われます。

お願いをするAさんは「今すぐ、今日中に最優先でお願い!!!」という気持ちでも、受け取るBさんには切迫感がないので、「今週は忙しいから来週最優先で」と「最優先」の意味を別解釈することもあります。

そのため、「○月○日○時までに最優先でお願いします」のように、誰がどこをどう読んでも同じ解釈しかできない表現を使うことが重要になります。

3.1投稿1メッセージ

テキストコミュニケーションを行う際は、「1投稿1メッセージ」を意識しています。1回の投稿でひとつのメッセージのみを伝えることを言います。複数の話題や要求をひとつの投稿に詰め込むと、相手が内容を理解しにくくなりますし、ヌケモレが起こりやすくなるためです。メールの場合は、用件ごとに投稿を分けるイメージです。

たとえば、メールで複数のプロジェクトに触れる場合、プロジェクトごとにメールを分けます。チャットツールを使用する際も、トピックごとに投稿を分けます。分けることで内容を整理しやすくなりますし、やり取りが続くなかで、「あの話はどこへ行った?」が起こりにくくなります。

1投稿1メッセージの原則は、まとめると以下のようなメリットがあります。

  • 内容がシンプルになり、双方にとって理解しやすい
  • 各メッセージで話題ごとに返信ができ、コミュニケーションがシンプルになる
  • 後からさかのぼって検索するとき、特定の話題を探しやすい
  • 情報の見落としリスクが減る

余談ですが、「契約書の件」のメールに、キックオフミーティングの開催概要のやり取りが入っているとします。あとから日時を確認しようとメールを検索するとき、「契約書の件」のメールにキックオフに関する記載があったら、探すまでちょっと手間がかかりますよね。

「契約書の件」と「キックオフミーティングの開催概要」のメールを最初から分けておくと、後から確認がスムーズになるので分けておきたいという話です。

4.誤解を招かないための表現方法

テキストコミュニケーションでは、表情や声のトーンなどの非言語情報が欠けているため、誤解を招きやすい特徴があります。そのため、誤解を防ぎ、円滑なコミュニケーションを図るために、とくに注意していることもまとめてみます。

長文を避ける

長文は読み手に負担をかけやすいので、要点を簡潔にまとめ、相手に次に取ってほしいアクションをわかりやすく書くようにしています。長文を避けるためにしているのは、次の4点です。

  1. 伝えたい内容を明確にする
  2. 要点を整理し、簡潔な文章で書く
  3. 重要度の高い順に、優先順位をつける
  4. 箇条書きにする

会社員だったとき、上司に報告へ行くとよく言われたのが「で、結論は?」です。最初に結論を言わないと相手は何の話をされているかわかりません。メールでだらだら書くのも同じです。結論がないまま長文が続くと、読み手は自分が何のために読んでいるかわからなくなってしまいます。

ですので、そうならないように下記の順で書くと、わりとスムーズに連絡が取れる感覚があります。

  • 結論(依頼内容とか)
  • 背景(依頼内容の背景)
  • 期日や条件などの提示
  • 再度結論

長文を嫌って短くまとめすぎると、かえって内容がわかりにくくなることもあります。相手に意図が伝わらないばかりか、「意味がわからないし、質問しないと何を言っているか理解できない」と思われ、「面倒だからあとにしよう」と放置されることも起こります。ですので、分量の長短が気になった場合は、「伝わる」ことを最優先で書くことを意識しています。

前提条件を明確にする

テキストコミュニケーションでは、相手と同じ前提条件を共有していないと、誤解が生じやすくなります。そのため、前提条件を明確にすることは円滑なコミュニケーションを図る上で欠かせません。

前提条件を明確にするには、まず自分の発言の背景にある情報を相手と共有し、確認できると安心です。

「○○の件で先日お話ししたように」
「前回の会議で決定した事項に基づいて」

など、過去の経緯や共通認識を示す表現を使うことで、相手の理解を促すことができます。

また、自分の発言が特定の条件下でのみ有効であることを明示することも重要です。

「○○の場合に限り」
「○○を前提とした上で」

など、条件を明記することで誤解が生じないようにします。

さらに、相手の理解を確認することも、共通認識が合っているかどうか確認するために必要になります。

「以上の内容で認識に相違はありませんでしょうか」
「○○という理解で正しいでしょうか」

など、相手の認識を確認する表現を使うことで、お互いの理解に齟齬がないことを確かめられます。

これらは些末なことですが、共通認識があるかどうかを確認しないまま物事を進めると、たいていトラブルになりますので、相手に嫌がられるかなと思っても確認するようにしています。

中途半端な敬語を使わず丁寧語を使う

適切な敬語の使用は、円滑なコミュニケーションを図る重要な要素のひとつです。とくにビジネスシーンでは、丁寧な言葉遣いが求められます。

しかし、敬語の使い方に慣れていない場合、中途半端な敬語を使ってしまうことがあります。たとえば「○○でございます」と「○○です」を混在させたり、「ご覧になる」と「拝見する」を混在させたり。このような中途半端な敬語の使用は、読み手に違和感を与え、不快な印象を与えてしまうことがあります。ですので、個人的には中途半端な敬語を使うぐらいなら、丁寧語を使うほうを選択しています。

丁寧語は「です・ます」調の表現で、「〇〇です」「○○ます」などです。日常的に一貫して丁寧語を使うことで、相手に対する敬意は伝わりますし、「この人は尊敬語と謙譲語の使い分けができないんだな」と明確に判断されることもありません(笑)。

ただし、丁寧語を使う際は、目上の方や権威性を重視する方にはあまりよい印象を与えないこともありますので、関係性を考慮した言葉選びを場合によって使うことも、ときに必要になります。

適度な自己開示で信頼関係を作る

適度な自己開示は、相手との信頼関係を構築する上で大切な要素です。自己開示とは、自分自身に関する情報を相手に伝えることで、親近感を持ってもらうためには欠かせません。

自分の趣味や関心事、経験談などを共有することで、相手との共通点を見つけて話題を広げることができますし、自分の感情や考えを相手に伝えることで、相手に対する信頼感を示すこともできます。

たとえば、「今日は暖かいですね。こちらでは○○の花が見頃を迎えています。○○さんはいかがお過ごしですか?」のあいさつ。短いですが、これも自己開示と言えます。こちらの感情や状況を手短に伝えることで、相手への心遣いもできますし、こちらの心もふわっと伝わりますよね。

ビジネスメールやビジネスチャットは用件だけを伝える方もいますが、伝え方によっては、やや冷たい印象を与えることもあります。反対に、ほんのひとこと心遣いのメッセージがあるだけで、読み手の心をほぐすこともあります。その“ほんわか”の積み重ねが、結果的に信頼関係の積み重ねにもつながっていくと感じています。

言語化のもどかしさから脱するために

テキストコミュニケーションは、慣れてしまえばなんともないことですが、最初はもどかしさでいっぱいでした。自分の頭の中にある考えを相手に説明するために言語化する。それを相手に伝えるためにキーボードをだらだら打つ。それがもう、そもそも面倒。過去の私には、もどかしさしかなかったです。

ですが、デジタルマーケティングの業務下では、テキストメッセージでのコミュニケーションが基本となります。自分の考えていることを、いかにわかりやすく、手短に相手に伝え、次のアクションにつなげられるかが仕事のクオリティと直結しています。

考えを整理することをパパッとできるようになるには少し時間がかかりますが、

  • 結論(相手に依頼したい内容)
  • 背景(依頼の背景)
  • 期日や条件の提示
  • 結論(再掲)

のコツを押さえれば、最低限のコミュニケーションは成立します。もどかしさを感じている方は、ぜひ試してみてください。……と、過去にもやもやしていた私に伝えたいと思って書きました。

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