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いろんな意味で目が覚めたロバート・キヨサキの「E・S・B・I」

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いろんな意味で目が覚めたロバート・キヨサキの「E・S・B・I」

 

いろんな意味で目が覚めたロバート・キヨサキの「E・S・B・I」

人に雇われたままの立場でループ

会社員時代、腐っていたときに読んで目が覚めたのがロバート・キヨサキ著『金持ち父さんのキャッシュフロー・クワドラント』です。とくにショックを受けたのが、この図で、人に雇われたままの立場でループしているという意味です。図の見方はこの後解説します。

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ロバート・キヨサキと彼のメンター“金持ち父さん”が推奨する人が働く上での所属する“ポジション”(働き方)を「キャッシュフロー・クワドラント」と言い、「E・S・B・I」の4つのクワドラントに分けられます。クワドラントとは、「どこからお金を得ているか」に基づいて分類し、円を4等分したもののことで、自分がどこに属するかはお金をどこから得ているかで決まります。

それぞれの意味はこうです。

E……Employee(従業員)
S……Self employee(自営業者)
B……Business owner(ビジネスオーナー)
I……Investor(投資家)

図で表すとこう。

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私が所属しているのは、当然「E」です。

お金を得る方法については以下のとおり。

E……時間・労働力を対価に働き、所属する会社のルールに則って働き、収入を得る
S……時間・労働力を対価に働き、自身が主体となって働き、収入を得る
B……ビジネスを所有し、自分が主体となるが、他人やシステムが働くことで収入を得る
I……投資でお金がお金を生み出す仕組みを持ち、自分が主体となって指示することで収入を得る

「E」でぐるぐるしていた理由

新卒時、団塊ジュニアの就職氷河期時代に加え、高い競争率に敗れ、新卒で出版社に就職できなかった私は、出版社の下請けの編集プロダクション(以下、編プロ)に就職しました。どこの業界にもありますが、業界内のヒエラルキーってありますよね。編プロは最下層レイヤーに属します(※個人の意見です)。

何としても出版業界で働くと決めていたので、とにかく業界に潜り込みさえすればなんとかなる、時間をかけてヒエラルキーのピラミッドを上がればよいと思っていました。なので、3年以内に転職する前提で編プロで働いていました。

2年半で編プロを脱し、晴れて出版社に転職。そのまま腰を据えて働いてもよかったのですが、業界内のヒエラルキーを少しでも上に上がるという“誤った考え”をもっていたのと自分がやりたい方向性を見つけたので、異動をきっかけに転職。結果、

編プロ⇒小さい出版社2社⇒上場企業⇒中堅出版社

と30代に入るまで転職を重ねました。

ESBIを知って考えが変わった

中堅出版社で働くようになっても、チャンスがあればヒエラルキーを上げたい欲は全然消えませんでした。そんなときに出会ったのが、冒頭の「E」のループ図です。『金持ち父さんのキャッシュフロー・クワドラント』を読み、これは私のことだと思いました。私がこうして転職をくり返しているのは、もとをただせば、底辺から出発した社会人生活を正したいという欲(たぶん承認欲求)。

さらに深掘りすると、会社員として得られる収入を最大化したい、平たく言うと高給取りになりたかったので、転職することでそれが叶えられると信じていたわけです。

一方で、同じ業界の最上級ヒエラルキーに属する会社の働き方を知るにつれて、高給取りにはなれるが奴隷度が高まる……という現実もたくさん見てきました(※部署や職種にもよります)。令和となった今はそういう働き方が許されなくなりましたが、私が20-30代の頃、出版社で働く人はまだまだ家に帰れない時代でした(とはいえ、仕事が楽しいので、常に眠いだけで、辛さはありませんでした)。

でも、クワドラントの仕組みを見て、知って、それは間違っていました。私が本質的に求めているのは「E」の最上級ではなく、「B」「I」の働き方であると。

ロバートが勧める働き方の遷移

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「B」「I」の働き方は、「E」から一気になれるものではなく、準備と経験を積み、段階を経て進めるもの。だとしたら、30代前半の私がやるべきは、ヒエラルキーの高い会社に転職することではなく、S⇒B⇒Iとステップを踏むときに必要な知識と経験を「E」で最大限蓄え、供えることだと切り替えました。

独立することはあまり現実的と思えなかったので、具体的にどうするかはこれから考えるとして、働き方を切り替え、クリエイティブ以外の仕事も積極的にやることにしました。

そこで始めたのが、「1人で会社を作ったときに、1人でできないと困ることをなくす」でした。これまでの働き方にはなかった視点です。自分の専門業務以外に下記を勉強リストに加え、日常業務の幅を広げました。とくに経理に関する細かいことはずっと好きではなかったのですが、この考えに切り替えてからは捉え方が変わり、好きな業務のひとつになりました。そのほかは以下のとおり。

・マーケティング
・施策の年間計画の立案(役職がつかないと関われなかったので個人で作っていた)
・他部署とのコミュニケーション経路を広げる
・予実管理などお金に関わること全般
・契約関連(契約書を作るところから顧問弁護士とのやりとり、先方との交渉、締結まで)

プライベートでは、

・投資信託
・株式投資
・NISA
・ビットコイン
・FX
ほか


などをやりました。投資環境は波があり、失敗もたくさんしていますが、15年ぐらい色々やってみて自分の好き・得意な分野がある程度わかったので、今はそこをうろうろしながら、情報収集しては活動しています。

もつべきは“システム”

最終ゴールをヒエラルキー上位の「E」ではなく、「B」「I」に定めて以来、何が道につながるかわからないので、とりあえずやってみようの精神で食わず嫌いせずにあれこれやるようになったのは、大きな変化で、働き方もマインドも変わりました。

わかりやすく言うと、「いい会社に上がれる実績を作れる仕事かどうか」(←いやらしい!)ではなく、「自分が属する世界のビジネス全体を理解し、構築する知識と能力をもつ」視点で働くようになりました。いやらしい視点で働いていてすみませんと思いつつも、就職氷河期の苦しさを思い出すと、手に職とか安定とか確実な何かを手にしたかったのだと思います。そんなものは幻想なのに。

今はフリーランスを経て法人3期目に入りましたが、経理・契約回りを一通りできるのは前述の視点で働いた日々と機会をくれた前職のおかげですし、その甲斐もあって下記の図の意味を少しずつ理解できる機会も出てきました。

ロバートの本をあれこれ読むととにかく税金の話をしているのですが、全然頭にすっと入ってこなかったんです。でも、今、やっとわかり始めたところです。

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「E」「S」から「B」「I」になるには、ロバートの言うところの“システム”を持つ必要があります。システムとは、ビジネスの仕組みのことで、クワドラントの所属場所によって、システムとの対峙の仕方が違います。

E……システムのために働く
S……本人がシステムとなって働く
B……システムを作り出し、所有し、管理する
I……システムにお金を投資する

「E」だった私は「S」になり、今は「B」を目指して仕組みを作りに取り掛かっているところです。ここを説明するとさらに長くなるので、詳しく知りたい方は、ロバートの本を手に取ってみてください。実現できるのはまだまだ先だと思いますが、粛々とがんばります。

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