AIが変える検索の世界(SEO)で、ブログを書く人が知っておきたいこと

AIが超スピードで変化を遂げていることで、発信する方にとってのインターネット環境がどんどん変わっています。変化が速すぎるし、変わることも多すぎて、とくにブログを書いている方のなかには、焦る方も多いと思います。
ですが、焦る必要はありません。必要なことを知り、できることをひとつずつ対応する。ただそれだけです。と、私も自分に言い聞かせながら、落ち着くようにしています。
ユーザーに質の高いコンテンツを提供しているか?
すべての根本は、Googleが日頃から提唱している「有用で信頼性の高い、ユーザー第一のコンテンツの作成」です。
「ユーザーに質の高いコンテンツを提供しているか?」
この一点を満たしているかどうかです。ですから、この軸を中心に置いて、変化を見れば焦らなくていいかなと思っています。

※参考:有用で信頼性の高い、ユーザー第一のコンテンツの作成
※参考:Googler’s Deposition Offers View Of Google’s Ranking Systems

ブログを書く方が最低限知っておきたいこと
最近の動向はいろいろありすぎますが、ブログを書いている方が最低限知っておきたいことは、この辺かなと思います。
- Google検索におけるAI Overviewsが増えたことで、検索クエリのCTRが下がった
- AI内(ChatGPT search、Perplexity、今後Googleが公開予定のAIモード等)で検索するユーザーが増えたため、Google検索数そのものが減少傾向にある
- Googleの検索結果に身元の分からない人物のコンテンツが検索結果により出にくくなった
わかりやすく書くと、以下のとおりです。
1. AIが答えを教えてくれるので、サイトをクリックするユーザーが減った
これまでの検索
Google検索で「東京の美味しいラーメン店」と調べると、検索結果にはたくさんのウェブサイトのリンクが並んでいました。答えを知るためには、それらのサイトをクリックして中身を読む必要がありました。
現在の検索
今は、検索結果にAIが作った要約(AI Overviews)が表示されるようになりました。「渋谷の◯◯ラーメン、新宿の△△ラーメンがおすすめです」というように、AIがいくつかのサイトの情報をまとめて答えを教えてくれる、アレです。
何が起きているか
多くのユーザーが「AIの要約で十分」と感じて、個別のウェブサイトをクリックしなくなっています。つまり、ウェブサイトを運営している方にとっては、訪問者が減る状況が起きています。私が見ているサイトでは、だいたい通常の2~4割減っている感覚です。
2. GoogleではなくAIで直接調べる人が増えている
新しい検索方法の登場
最近は、Google検索の代わりにAIツールで直接調べる人が増えています。
- ChatGPTの検索機能を使う(ChatGPT search)
- Perplexityを使う
- その他のAI検索ツール など
どう違うか
これまでGoogle検索は「ウェブサイトの一覧を表示」してきましたが、AIツールで検索すると、「質問に対して直接答えてくれる」ようになりました。知りたいことの結果だけを教えてくれますので、ユーザーがひとつ一つリンクをクリックして、情報を探す必要がなくなりました。
何が起きているか
そのため、Google検索を使うユーザーそのものが減ってきています。とくに若い世代では「調べ物=AI」という習慣が広がりつつあるようです。
3. 素性のわからない人の記事が検索結果に出にくくなった
これまでの状況
Google検索では、誰が書いたかわからない記事でも、内容がよければ検索結果の上位に表示されることがありました。
現在の状況
今のGoogleは「この記事を書いた人は誰か」「信頼できる人か」をより重視するようになりました。そのため、以下のような記事は検索結果に表示されにくくなっています。
- 作者のプロフィールが不明な記事
- どんな経験や専門知識を持つ人が書いたかわからない記事
- 運営者情報があいまいなウェブサイトの記事
なぜこの変化が起きているか
インターネット上に間違った情報や質の低い情報が増えすぎたため、Googleが「信頼できる情報源からの情報を優先する」方針を強化したためです。優先されるのは、公的機関、大学等の研究機関、大手企業など、権威性のある立場にある(社会的信頼度の高い)団体です。

これらは何を意味するのか
これらの変化は、ウェブサイトやブログを運営している方にとって大きな影響があります。
- 訪問者が減る可能性が高い
AIが要約してくれるので、ウェブサイトを直接探して見るユーザーが減る - 検索される機会が減る
Google以外で調べるユーザーが増えている - 信頼性がより重要
「誰が書いたか」がはっきりしていないと、そもそも検索結果に表示されにくい。そのため、プロフィールがあやふやなウェブサイトは、ページを見つけてもらうこと自体の難易度が上がる
ブログを書いて情報発信をする方は、この変化を理解して、適応していく必要があります。

ブログを書く方が対応したいこと

ユーザーの検索意図を満たす、質の高いコンテンツを出すこと
これは以前から言われていることですが、AI時代になってより重要度が増しています。簡単に言うと、検索意図を満たすとは、「ユーザーが本当に知りたかったことに、きちんと答えられているコンテンツ(記事)」のことです。
ユーザーは何らかの「困りごと」や「知りたいこと」があって検索しています。その検索する動機に対して、求めている答えをちゃんと提供できるかどうかが重要なのです。自分が書きたいことを書くのではなく、「ユーザーが何を求めているか」を考え、その答えとなりうる記事が、質の高いコンテンツです。
情報発信力がこれまで以上に求められる
AIは何らかの情報源から情報をピックアップして表示しますので、出典元となれるよう発信を増やせるとなおいいです。端的に言うと、記事数を増やすことです。AIが検索で参照する「出典元」になることを意識して、継続的に発信することが必要になります。
発信者の身元をはっきり示す
発信する方のE-E-A-T(専門性、経験、権威性、信頼性)がより問われるようになりました。プロフィールと経験による信頼性を示すことが必須になったということです。極端な話、“どこの誰かわからない者”や匿名性の高い人物の発信は無視されるということでもあります。
自分がどんな経験を持つ専門家なのか、経験とともにプロフィールをインターネット上ではっきり示していく必要があります。

運用するSNSを増やす
Googleからの流入が減少している今、流入元を増やすには、運用するSNSを増やすことがひとつの方法として挙げられます。ひとつのプラットフォームに依存してしまうと、厳しい状況に陥る可能性があります。複数のSNSを運用することで、ユーザーが入ってくる場所を増やせるといいです。
とくに重視したいのは、ショート動画です。ショート動画はひとつつくれば、YouTubeはもちろん、Instagram、X(旧Twitter)、TikTok、Facebook、Googleビジネスプロフィールにも同じフォーマットで投稿できます。
変化の中でも軸をぶらさない
ざくっとまとめましたが、AI時代の到来で環境は変化していますが、「ユーザーに価値のあるコンテンツを提供する」という基本姿勢は変わりません。
環境の変化を無視して進むことは得策ではありませんので、現状に合わせた対応も必要になります。その上で、これらの軸を中心に据えて活動を続けていけば、成果につながります。
過去にもいろんなITバブルがありましたが、結局生き残ったのは、質の高いコンテンツを環境に合わせて適応しながら、出し続けた方たちです。信じられない速度と量の変化が起こっていますが、できることからひとつずつ取り組んでいく。それがいちばんの近道なのかなと私は思っています。