時間ログがそのまま引き継ぎ資料になった
近々退職するので、引き継ぎをしてます。引継ぎ資料の作成は、普通にやろうとすると「思い出しながら書く」ことになりますが、今回は少し違う方法でつくりました。
TogglTrackでつけていた時間ログをそのまま使って、業務を洗い出して、Claudeを使いました。

時間ログをラベル単位で分解する
直近3か月分のログをもとにどのプロジェクトに、何時間使っているかを一覧にし、その中身をラベル単位で見ていきます。ラベルごとに時間のまとまりを見ていくと、ばらばらに見える業務がいくつかの塊として見えてきます。今、私がTogglTrackで使っているラベルは以下のとおりです。
- 業務A
- 業務B
- 広告運用01
- 広告運用02
- 広告運用03
- 計測・基盤
- 自社サイト保守
- 組織調整・マネジメント
- 起動設計
ちなみに、「起動設計」というラベルは、少し早めに出社して使う時間につけている名前です。タスク整理をしたり、頭を整えたり、AIと壁打ちしたり。一日の業務を立ち上げるための時間を、そう呼んでいます。
業務を「戦略・実行・基盤」に分けて整理する
実際には、「起動設計」と「組織調整・マネジメント」が戦略や設計にあたる部分、「業務A」「業務B」「広告運用01」「広告運用02」が施策の実行、「計測・基盤」「自社サイト保守」が土台の部分、という形で自然と3つに分かれました。
この時点で、引き継ぎ業務の切り分けと骨組みがほぼできました。
ルーティンとイレギュラーを見分ける
ラベルの中身を見ていくと、同じラベルでも性質が違うことがわかります。たとえば「広告運用01」というラベルの中にも、「キーワードの調整」「配信結果の確認」「レポート作成」「改善案の検討」といった複数の作業が含まれています。
これをタスク単位で分解しながら、「日時」「週次」「月次」「随時」など、実施タイミングを分けていきます。レポート作成のように定期的に発生するものはルーティンとしてまとめ、調整やトラブル対応のようなものは注意事項として拾います。この整理をした時点で、「何を引き継ぐ必要があるか」がかなり明確になります。
戦略・実行・基盤の3層に分けた時点で、引き継ぎに必要な書類の種類もほぼ決まりました。で、私がつくった書類リストはこれらです。
- ルーティン業務一覧
- 引き継ぎが必要な業務
- アカウント・権限移譲一覧
- 既存マニュアル棚卸し
- 引き継ぎスケジュール案
- 備考・申し送り事項
AIを使って引き継ぎ資料を整えたプロセス
今回いちばん大きかったのは、時間ログがそのまま業務一覧になるという点でした。Claudeと壁打ちしていたとき、「ログから業務一覧を出せる」という話になり、それなら試してみようとやってみました。
タスクを思い出しながら書くと抜け漏れが出ますが、ログをベースにすると「実際にやっていたこと」しか出てきません。さらに、ラベルごとの時間配分を見ることで、「この業務にこれだけ時間を使っている」という現実もそのまま見えます。
引き継ぎ資料も既存資料を元データにして作った
普段から業務ではできるだけドキュメントを残すようにしているので、それらの既存資料を放り込んで実務の流れをClaudeにまとめてもらえたのも大きかったです。ドキュメント最高。
ゼロから文章を起こす工程がなくて済みますし、各業務にレポートもあるので、始まりから終わりまでClaudeが過不足なくキャッチアップできて、大きく効率化できました。
もちろん最終的な判断や調整はすべて人間が行っています。会社の状況に合わせた表現や、実務に落とし込むための細やかなカスタマイズは、AIが代替できない部分なので。
ラベル設計がAI活用の前提になる
今回のプロセスで大きかったのは、ラベルをつけて時間ログを運用していたことでした。このラベル構造をもとにClaudeで整理をかけたことで、「ルーティン業務」と「イレギュラー業務」の判別を自動的に行うことができました。さらに「頻度」や「関係者の有無」の軸を添えて整理しました。この工程はかなり短時間で形になって、ちょっと感動しました。
本来であれば人がひとつ一つ見て判断する必要がある部分ですが、この判別をClaudeに任せることで、業務の性質ごとの分類が一気に進みました。
時間ログを取り続けている理由
時間ログを取ることは、次の3点を目的に10年ほど続けています。
- 業務時間の分析を定期的に行い、業務状況を確認し、改善する
- 業務の不適切な偏りを見つけ、改善する
- 業務時間の見積もりをしやすくする(工数計算)
たとえば、3月の総稼働時間のうち、38%が戦略・設計(起動設計+組織調整)、38%が施策実行(広告運用・各案件)、7%が基盤整備。数字で見ると、自分がどこに時間を使っているかが、くっきりと見えます。
ラベルをつけて時間を記録しておくと、自分が何をしているかをあとから取り出せる形で残すことができるので、それを目的に記録しています。これがそのまま引き継ぎ資料になるとは思いませんでしたし、うれしい誤算でした。
今回やってみて感じたのは、AIを使ったから効率化できたというよりも、「構造化されたデータがあったからAIが機能した」ということです。時間ログとラベル設計によって、業務がすでにある程度整理された状態になっていたからこそ、AIがそこに意味を与えてくれたというか。
逆に言うと、ログやラベルがなければ、AIに渡す情報自体があいまいになります。AIは何もないところから正確な業務整理をしてはくれません。その点で、時間ログは、「仕事の構造を残すためのデータ」でもあると感じました。
今回のように、「記録 → 構造化 → AIで整理 → 実務に落とす」という流れができると、引き継ぎだけでなく、日常業務の整理や改善にも応用できそうです。こういうの、ちょっと楽しいですよね。
ちなみに同じ作業をChatGPTとGeminiでも試しましたけど、イマイチでした。こういうのはClaudeが得意(すべて有料版を利用)。

