SNS発信の黄金比率「役立ち度90%:自分の情報10%」のバランス

SNS発信の黄金比率
まてぃさん

ビジネス目的でSNSを運用している方は、毎日何を発信していますか?

よく見かけるのが、「今日食べたランチ」「出かけた場所での映える写真」「今日の反省とか自戒」です。もちろん、こうした日常の投稿も悪くはありません。でも、専門性や経験から得られた知見を、もっと自信を持って発信してもいいんじゃないでしょうか。

専門性や経験を発信したい方に向けて、心を一押しできればと思い、今日の内容を書いてみます。

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日記的投稿をおすすめしない理由

SNSを「双方向コミュニケーション」だと考える方は多いですが、実際には信頼関係が築かれるまでには段階があります。面と向かった会話なら、表情や声のトーンで相手との距離感を測りながら話せますが、テキスト中心のSNSでは違います。

画面の前に人がいることを忘れずに、いつもの距離感で人とコミュニケーションをとることを理解する。これが、SNSで効果的な発信をするための基本的な姿勢です。

「役立ち度90%:自分の情報10%」という黄金比率

この考え方は、けんすうさんの記事から影響を受けたものです。けんすうさんは情報発信の内容を「インフォメーション→オピニオン→ダイアリー」という流れを提唱していますが、私はこれを「役立ち度90%:自分の情報10%」という比率で実践しています。

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「役立ち度90%」とは何か

フォロワーが読んだときに、少しでも価値を感じる情報のことです。たとえば、

  • 共感できる内容:「あるある、そうそう」と思わずうなずくような話
  • メモしたくなる知見:メモしたくなるような実用的な情報
  • 体験から得られた学び:実際に目で見て、体験して感じたことから生まれた知見
  • 新しい情報:みんなが知りたいけれど、まだ広く知られていないこと

人によって「お役立ち情報」のアンテナの立ち方は違いますので、それぞれ「お、いいね」と思う情報ってありますよね。それのことです。私にとっては、Google関連のニュースとか、SNSのアップデート情報、AIの新機能リリース情報とか、旅行会社のセール情報とか。

「自分の情報10%」の重要性

役立つ情報だけを発信していても、「情報だけ取られて終わり」になってしまいます。その情報を発信している発信者の視点での感想や感覚、実体験を一緒に伝えることで、「その人らしさ」が生まれます。「その人が発することで生まれる価値」ができるのです。

ただし、これが90%になると単なる日記になってしまいます。だからこそ、役立つ情報90%、自分の体験や感想10%というバランスが重要なんですね。

最近やれてないのですが、これが「自分の情報10%」の例です。ただ、ニュースを紹介するだけだと、情報を渡すだけになりますが、投稿者の感想も追加してなぜこのニュースをピックアップしたかがわかるポイントを加えると、投稿者の視点=自分の情報10%が伝わる投稿になります。

この場合、

・私が出版社に勤めていたこと
・出版社でコミュニティづくりと予算獲得に苦労したこと

などがうかがい知ることができます。

このようにニュースをピックアップする際に、その方なりの視点を加えると、投稿者自体の情報も伝えられるので、情報だけでなく、投稿者自身の情報も伝わるというわけです。このX(Twitter)の紹介リンクは次の投稿にぶら下げています。ポストに外部リンクを入れるとインプレッション(表示回数)が下がるからです。

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実践のコツはお客様からの質問

個人事業主や経営者の方が「役立つ情報」を見つけるいちばん簡単な方法は、お客様からよく質問されることをベースに考えることです。

お客様が繰り返し質問するということは、それだけ多くの方が知りたがっている情報である可能性が高いです。自身の専門分野について、その方ならではの視点で答えられる質問がありますよね。それです。

たとえば、私がお客様と話すときに、ご自身の専門分野があるのに「何を発信していいかわからない」というご相談を受けることが多いです。それをネタに投稿したのがこちらのポストです。

「誰が」は最後でいい理由

SNSの運用については「個人のブランディング」が重視されますが、実際のユーザー行動を考えてみると、みんな自分のことにしか興味がないのです。ですから、私は個人のブランディングは必要ですが、順番は最後でいいと考えています。

テキストコミュニケーションが中心のX(旧Twitter)では、誰かを知る流れは、こんな流れが一般的です。

  1. 「この文章いいな」(情報への反応)
  2. 「誰が書いたんだろう」(発信者への興味)
  3. プロフィールを見る(発信者を知る)
  4. 過去投稿一覧を見る(発信者の世界観が見える)

この流れで、ユーザーにとって「いいテキスト情報」がそのアカウントに並んでいれば、フォローします。フォローして投稿が流れてくるようになって初めて、アイコンを覚えたり、その発信者を知る余地ができるのです。そうして「◯◯さんの発信」という信頼感が生まれてきます。

ご自身のX(Twitter)での行動を考えると、そんな感じではありませんか?

初心者が陥りがちな失敗

ここで言う”黄金比率”を意識し始めて、やり始めた際、よくする失敗があります。

  • 役立つ情報ばかりを集めて、ただ情報を流す
  • 他人のツイートをリツイートしまくる

これは意味がありません。大事なのは、その方ならではの視点で「役立つ情報」を届けることだからです。恐れずに、ご自身の言葉で語ることを試してみてください。

ここ1か月ちょっと、私はずっと自分が避けていた自分の経験を伝えるようなポストをX(Twitter)で続けています。「こういうポスト(=アタシわかってるふうな感じの投稿)をするのはちょっと……」とずっと避けていましたが、理論上いいのは知っていたので、これはもうやってみようと思ってやってみたら、フォロワーが毎日増えますし、反応もいいです。こっちのほうがいいじゃないの、と。

こういうやつ。

なので、恐る恐るでいいので、ひとつずつ、投稿していただきたいです。

私のX(Twitter)とブログの使い分け

インフォメーションとオピニオンの使い分け

私は「インフォメーション」をX(Twitter)で、「オピニオン」をブログで投稿する流れにしています。

たとえば、ブログで書いているような長文を毎回だらだら投稿したら、流れてくるほうもめんどくさいと思います。X(Twitter)で流れてくる軽い情報をさくっと見ていて、なんとなく「いいな」と思ったらブログを見る、という流れのほうが、コミュニケーションの齟齬が起きにくい気がしています。長文を読むのが好きな人は、それほど多くありません。

私はたくさんの人と一度に交流することが得意ではありませんし、気が合う人とちょっと話せるといいなというスタンスなので、このぐらいの距離感で投稿するほうがちょうどいいと感じています。

このぬるいスタンスが、私がSNSを好きで、投稿をし続けられる理由のひとつでもあります。ただし、X(Twitter)のアルゴリズムでは、こういうぬるいスタンスはよいユーザー行動と定義されていません。

X(Twitter)のアルゴリズムは双方向を評価する

余談ですが、今時点(2025年6月)のアルゴリズムでは、双方向コミュニケーションの回数が多いアカウントに加点がつき、一方的な発信や発信しているだけのアカウントはインプレッション(表示回数)が下げられる方向にあります。

そのため、「自分語り」を投げつけてくるアカウントが増え、意味のない返信が増えているのです。

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専門性を自信をもって、ぬるくゆるく発信し続ける

ビジネスを目的にSNSを運用する方には、専門分野がある方が多いと思います。その分野での経験や知見は、必ず誰かの役に立ちます。

「今日のランチ」や「出かけた場所」を主体に話すのではなく、自身の専門性をもっと自信を持って投稿していいのです。

お客様からよく質問されることを思い出してください。それが「役立ち度90%」の投稿のヒントになります。そこに、その方ならではの視点や体験を10%加えることで、価値のある発信が生まれますから。

書いた人
まてぃさん
「独立して穏やかに暮らす働き方」を軸にデジタルマーケティングの支援を行っています。自分らしさを出せるSEOライティングとか、自分の商品・サービスのよさを伝えるコンテンツの磨き方がメインのお仕事。趣味はキックボクシングと登山。株式会社Rdesign factory代表取締役。
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