X(旧Twitter)とブログ記事がバズって起こったこと
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2月6日16時過ぎに投稿したブログ記事が、盛大にバズりました。自分のブログ記事がバズったのは初めてのことなので、数字の記録と何が起こったかをまとめておこうと思います。記事を公開してX(旧Twitter)で投稿、X(旧Twitter)の投稿は24時間で約8万インプレッション。普段の投稿と比べて約9倍の伸びでした。
投稿からバズるまでの経緯
この日もいつものように書きましたが、センシティブな内容なので誤解が起こりにくいよう入念に確認して公開しました。公開した記事はこちらです。

投稿のポイントは次の3点で、
- Pro画像を使ったのに「使用料を払え」という通知が来た
- Pro画像がなぜ著作権違反になったのか
- 悲しい
Canvaを業務で使っている方は多いので、身近で起こりうる具体的な事例として大変多くの方の琴線に触れたようです。
【X(旧Twitter)】データで見る拡散の実態
X(旧Twitter)の通常投稿と比べると、「これがバズりか~」と上級SNSマネージャーとしては、ほれぼれするような数値の変化が見られました。実際の投稿はこちらです。

- imp数(表示回数):890%増
→通常時の約9倍という急激な上昇 - 投稿翌日の2月7日にピークを迎え、約7.9万回のimp数を記録
特筆すべきは、エンゲージメントの質です。
- ブックマーク:614%増(保存して後で読み返したい情報として捉えられた)
- リポスト:478%増(他者と共有したい情報として拡がった)
- いいね:172%増
- 返信:65%増
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X(旧Twitter)のアナリティクスはこんな感じです。直近4週間のデータ。

【Google Analytics】データで見るブログ拡散の実態
Google Analyticsのデータでも、劇的な数値の変化がありました。
- アクティブユーザー数:1,020.5%増
- セッション数:905.2%増
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こちらのデータをご覧いただいてわかるとおり、異常値を検出。アナリティクスのアラートが数日出続けていました。予測値23が実際値1,376。いつもは20-30人/日程度のアクティブユーザー数ですが、いきなり5,800%増って、何。
反応したユーザーの特徴
せっかくなので、ユーザー層の特徴も見てみました。
コアターゲット層
35-54歳の層が全体の70.2%を占めていて、まさに同年代のお仕事をされている方がほとんど。ちょうどCanvaなどのデジタルツールを実務で活用する立場にある方々です。
- 35-44歳:37.6%
- 45-54歳:32.6%
性別は、男性:63.5%、女性:36.1%でした。
デバイスと推測されるユーザー行動
閲覧環境は、もちろんモバイルファースト。
- iOS:55.6%
- Android:18.8%
合計74.4%がモバイルからのアクセス。夕方公開した記事なので、帰宅時間~夕食後に多く閲覧されました。16時ごろに投稿すると5時間ぐらいタイムラインに浮上するので、夕方のSNSのゴールデンタイムにあたってしまったことも、拡散された要因のひとつだと思います。

なぜこれほどの反響を呼んだのか
この投稿が大きな反響を呼んだ背景には、おもに3つの要因が考えられます。
1.Canvaの普及度
デジタルマーケティングやコンテンツ制作の現場で、Canvaは必須とも言えるツールになっています。多くのビジネスシーンで日常的に使用されているため、この話題は切実感をもって受け止められたと考えられます。
2.具体的な金額提示があった点
支払った金額が「350ユーロ」という具体的な金額を示したことで、リスクの大きさが事実として伝わりやすかったのだと思います。抽象的な警告ではなく、実際に発生した事例としても、説得力があったのだと思います。
3.潜在的な不安と共鳴した点
「自分も同じ立場になるかもしれない」という潜在的な不安が、高いエンゲージメント率につながったと考えられます。とくにブックマーク率の高さ(614%増)は、「この情報を参考情報としてメモ」したい情報として捉えられたと思われます。
拡散される情報の特徴
今回のバズった状態を数値で改めてみてみると、普段のSNS投稿でどんな投稿が拡散されていくのか、その特徴がよくわかります。
投稿内容が共感されること
今回の投稿は、たまたま私の運が悪かったことを書いた記事で、すべての方に起こりうることではありません。
ですが、多くのPhotostock(写真素材サイト)を利用するユーザーが「自分にも起こるかもしれない」「自分も気をつけなければ」という意識を持ったことが、高いエンゲージメント率に表れたのだと思います。
情報発信のタイミング
投稿は平日の16時05分。この時間帯は多くのビジネスパーソンが仕事の息抜きにSNSをチェックする時間ではありますが、メインの時間帯ではありません。夕方のゴールデンタイムは17時-19時あたりなので、ちょっと早いから大丈夫かなと思いましたが、甘かったです。
具体的な事例の強さ
今回の投稿は、
- 実際に起こった事例
- わかりやすい金額
- Canvaとのやりとりの経緯を説明
という3点がわかりやすかったこともあって、ユーザーの心に刺さりやすかったと言えます。実務に直結する情報であったことも、それを後押ししていると思います。
また、前述のX(旧Twitter)のエンゲージメント内訳を見ると、
- ブックマーク(614%増):情報の保存価値の高さ
- リポスト(478%増):同僚や知人への共有価値の高さ
を示しており、何かあったときの参考事例としてブックマークやリポストが増えたと考えられます。

まとめと雑感
エンゲージメントを高める投稿とは
まとめると、自分の投稿を多くの方に届けたい場合は、
- 実体験に基づく具体的な事例
- 明確なリスクや数値を提示する
- 簡潔な表現でまとめてる
- 適切なタイミング(時間)で投稿する
が揃うと、比較的可能性が高まります。ユーザーニーズ(市場)の大きさ如何(いかん)ももちろんありますが、投稿ポストのインプレッションが伸びない、エンゲージメント率が伸びない場合は、この点を意識して改善するとアカウントの強みを伸ばしていけそうです。
雑感
今回バズって感じたのは、X(旧Twitter)が実務的な情報交換の場として、今もちゃんと(?)機能していると実感した点です。とくに35-54歳という中核的なビジネス層の高い反応は、この傾向を顕著に表しています。
「X(旧Twitter)は青い鳥時代に比べて云々……」とかいろいろありますが、パズルのピースがいくつかはまると、ビジネスユースに有効であると強く思いました。実務的な価値のある情報が、適切なタイミングで適切な層に届けば、大きな反響を呼ぶ可能性がまだまだ十分にあります。
投稿時間については、夕方~夜にかけてSNS投稿のゴールデンタイムがあるので、そこに被らないよう早めに投稿したのですが(たまたまその時間だったというのもある)、いちど波に乗るとどんどん広がるアルゴリズム。ゴールデンタイムの流れに乗ってしまって、どんどん広がってしまいました。朝起きたらバズっていたので、びっくりしました。
ちなみに、「バズったらフォロワーが増えました」とよく見かけていましたが、それほどでもありませんでした。同業者っぽい方が数名フォローしてくださった感じです。