無料相談が怖い病

「無料個別コンサルティングでは、あなたのサイトを実際に拝見しながら、効果が出る改善ポイントを具体的にご提案します」
このフレーズを聞いて、あなたはどう感じますか? お客様の立場では「お得」と感じるかもしれませんが、サービスを提供する側で、私のようにひとりで事業をしている方は、この言葉を発するとき、心のどこかに不安や恐怖を感じてしまいませんか。
私は「無料相談」という言葉を自分のサービスに冠することに、長らくためらってきました。ですが、今日から無料お試しコンサルティングを始めることにしました。それについてちょっと書いておこうと思います。

無料相談への恐怖感はどこから来るのか
会社員時代とは違う「時間の価値」
会社員時代ももちろん業務効率を意識していましたが、「この1時間で私はいくらの価値を生み出しているのか」を、今ほど痛切に感じながら働いていなかったと思います。
会社員として仕事をしていたとき、無料セミナーやサンプル提供などのマーケティング活動も「会社の時間」として処理されていましたが、ひとりで仕事をしていると、すべての時間が、自分の資産になります。この重みよ……。
ひとりビジネスで首をもたげる欲
ひとりで仕事をしていると、無料サービスの提供が増えるほど精神的な負担も増します。なぜなら、その時間は別の有償業務や自己投資、あるいは疲労回復に使えるはずの時間だからです。

しかし、断りにくいとか、話を終わりにさせにくいなど、「いい人と思われたい」欲が出てしまうのもありますね。もうそこはいいじゃない……と思うんですけど。
無料相談で起こりがちなこと
無料が引き寄せる意図しない層
「無料」という言葉には強い吸引力があります。その力はときに諸刃の剣になることもあります。無料ゆえに、サービスの本質的な価値よりも無料という条件に惹かれて集まる方もいるからです。彼らはもちろん、悪意があるわけではありません。

時間とエネルギーの消耗
無料のサービスであっても、プロとして手を抜くことはしません。むしろ「これが有料サービスの品質だ」と示すためのサンプルとなるため、通常以上に力を入れることのほうが多いです。私だけでなく、そう考える方は多いと思います。
結果として、想像以上のエネルギーを消費しますので、無料対応後の疲労回復には、やや時間がかかります(笑)。ひとりビジネスにおいて、この消耗はリスクに繋がりますので注意が必要ですが、短い時間でお客様に価値を提供するには、高い集中力と頭の高速回転が欠かせません。ですから、それを楽しむくらいの気持ちでやっています。

無料提供で互いにいい結果を出すには
望まないお客様を呼ばない設計
無料サービスを提供する際は、「誰に」提供するのかをはっきりさせることが大事です。
誰でも受け入れるのではなく、サービスを本当に必要としている方、そして将来的にお客様となってくださる可能性が高い方に向けて、しっかりお話しできる仕組みを取り入れたいところです。
そのために、無料提供の条件や申し込みフォームにある少しハードルを設けると、ある程度の線引きができます。たとえば、事前アンケートの記入や、特定の課題に対する回答を求めるなど。一定のコミットメントをお客様に示してもらうことで、お互いミスマッチを減らせます。
「個人情報は登録したくないけど、無料相談がしたい」
「他社と比較するために話したいけど、相手の感触を知りたいだけだから、要件を詳しく話したくない」
「誰かとブレストがしたい。しかもタダで手っ取り早く話したい」
たとえばこういう方々を防ぐことができます。私のフォームもそうしました。

時間と内容の明確な制限
「30分間の無料相談」「特定のテーマに限定した無料診断」など、提供する内容と時間を明確に区切ることも大切です。これにより、私自身の負担を管理しやすくなりますし、クライアント側も何を期待できるか明確になります。
また、この制限を設けることで、有料サービスとの境界線も自然と引かれます。「もっと詳しく知りたい」「さらに深掘りしたい」というニーズが生まれたとき、それは有料サービスへの自然な移行ポイントとなるからです。
無料と有料の境界線の引き方
無料サービスは「入口」であり、有料サービスは「本編」です。この区別を明確にするためには、無料サービスでは「何が問題か」を明らかにし、有料サービスでは「どう解決するか」に焦点を当てるという区分けをしたいところです。
これは、業種が違っても同じです。とくに無形商材を扱う場合は、同じ形で対応できます。お客様に即座に価値を感じてもらう体験を提供することで、サービスの質の高さを実感してもらい、有料サービスへの移行を促すわけです。
こうしてブログを書いていると、お客様が目を通した上でお申し込みいただけるケースが多いので、ミスマッチも起こりにくくなります。

ブログを書いていたら自社サイトのアクセスが激増
無料相談に踏み出した背景
長らく「無料相談」に恐怖心を抱いていた私ですが、冒頭にも書きましたとおり、各サービスで「30分間の無料お試しコンサルティング」を始めることにしました。
というのも、ブログをまじめにコツコツ書き始めて約3か月が経過しました。Googleアナリティクスで自社サイトのアクセスを見ると、ブログ経由での自社サイトへの流入が増えた結果、「サービス」ページの閲覧数が前月比で2.5倍に増加。しかも、滞在時間が3.3倍になっているんですよね。なんと4分越えです。すごくないですか???

「ブログをちゃんと書くと、こんなに変わるのか」と実感している毎日です。この明らかな変化を目の当たりにして、次のステップを考える必要があると思いました。
アクセスが増えたときにやりたいこと
このケースの場合、理想的には単価の安いメニューをつくり、実際に試せる機会をつくるのがいいのですが、ひとりでビジネスを回している以上、新メニューの開発には時間がかかります。
そこで思い至ったのが、無料相談の導入です。この波に乗って変化を生み出せるかも、と考えたのです。
もちろん、背景には自分のサービスに対する確信と、提供価値への自信が深まったこともあります。くわえて、適切なターゲティングと明確な制限設定を入れれば、無料が招くリスクを最小化できると考えたからです(たぶん)。
無料相談を始めるにあたり、私が設けた条件は、
- 事前情報と個人情報の記入必須
- 30分の厳格な時間制限を設ける
- 特定の課題に絞った相談内容と回答
- 無料相談は1回のみに限る
これらの条件により、「誰でもいい」わけではなく、本当にサービスを必要としている方、そして将来的にビジネス関係を築ける可能性のある方との出会いをつくりたいと思っています。繰り返しになりますが、これは私だけでなく、ひとりで事業をする方で、とくに無形商材を扱う方にも適した方法のひとつです。
「無料相談が怖い病」は、ひとりで事業を行う方の多くが経験する症状だと思います。無料相談を設けて、成約率は1-2割だったりしますので、「やってみて違うな~」と思えば、やめればいいですし。
というわけで、無料お試しコンサルティング(30分)を各サービスで始めましたので、興味がありましたらぜひお話ししましょう~。私もこれを機に、無料相談が怖い病を治癒したいと思います。
ところで、NapkinAIの画像の大きさが変わったようです。図が大きくなってますよね。このほうが読みやすいかも。