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思考の壁を壊すAIの使い方

AI 使い方
まてぃさん

AIを使って何をしてるのかなと考えたとき、私にとっては「思考の壁を壊す」ために使っていることが多いと気づきました。全部は書ききれませんが、本記事では、私がよく使っているAIと、それによって思考の壁をどう破っているかを書いてみます。

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今使っているおもなAIと特徴

以下、個人の感想です。AIの特徴は使う人・使い方によって変わります。私の職業柄こういう使い方をしています、という捉え方です。

  • ClaudeAI(有料版)
    文章を書く、思考をクリエイティブに昇華するのが得意と感じている。人間ぽい表現や文章の要約も上手。文章から計算に導くのも得意。
    https://claude.ai/
  • Gemini(有料版)
    物事を論理的にまとめ、整理するのが得意。クリエイティブというより、現実派という感じ。プラスオンは得意じゃない。GA4やSEOに詳しい。
    https://gemini.google.com/app
  • Perplexity(有料版)
    最新情報から情報をまとめて、知りたいことにフィットさせた答えを提示してくれる。検索結果に次に質問したいことも類推して情報を提示してくれるので、立ち止まって考えなくても、思考をどんどん進める手助けを加速してくれる。
    https://www.perplexity.ai/
  • Adobe Firefly(有料版)
    Adobeが提供する画像生成AIツール。プロンプト入力で高品質な画像を生成してくれる。日本語はあまりわかっていない気がするので、英語で書いたほうが理解されやすい。
    https://www.adobe.com/jp/products/firefly.html
  • NapkinAI(無料)
     テキスト入力だけで図解やグラフを自動生成するAIツール。フローチャート、マインドマップなどがサクッとできる。今はベータ版でいずれ有料化されると思われる。
    https://www.napkin.ai/
  • Whisk(無料)
    Googleが開発した画像生成AIツールで、画像をプロンプトとして入力し、新しい画像を生成。画像と画像を組み合わせて何ができるかわからない面白さがある。サンプル画像も数点用意されている。
    https://labs.google/fx/ja/tools/whisk

ちなみに、ソフトバンクユーザーはPerplexityを1年間無料で使えるキャンペーンがあります。私はそれに申し込みました。ありがとう、孫さん。
https://www.softbank.jp/mobile/service/perplexity-ai/

1. 知識の壁:専門外の分野に踏み込めない

独立してひとりで働いていると、あらゆる業務を自分でこなします。法務、会計、マーケティング、デザイン、プログラミングなど。専門家が必要な業務の場合、外部の方に依頼して対応していますが、そのたびにコストと時間がかかります。AIを活用することで、低コストで突破できるようになりました。

おもに使うAI

  • ClaudeAI
  • Gemini
  • Perplexity

弁護士に依頼するような契約書の修正をしてくれた

自分の中で欲しい答えがわかっていて、その過程がわからないものに対してAIを使うと、専門外であってもAIの力を借りて解決できることが多いと感じています。

たとえば、クライアントとの契約書。内容に気になる点があり、修正したい。自分の意図と異なる条文の場合、それを表現する修正用の条文が必要になりますが、この文章が書けません。でも書きたいことはわかっています。こういう場合に、ClaudeAIに相談します。

あなたは法律のエキスパートです。下記の条項について私の希望を書きますので、加筆修正のアドバイスをください。
#加筆修正の目的 「本件システムの将来に向けての使用が懸念される事項がある場合は、甲は乙に事前に通知する必要がある」
#以下条文(条文をコピペ)

こういったケースの場合、通常3~5万円を払って弁護士に相談していましたが、AIに試しに相談してみたら、それで解決しました。先方からNGが来て修正する際も、問題なく対応ができました。

文脈が読み取れて、自分が相手に伝えたい内容が決まっている場合は、AIだけで事足りるようになりました。ですから、弁護士に相談するのは、文脈も理解できないとか、全体が複雑すぎて専門家が必要な場合だけになりました。

エンジニアに依頼するようなコードを書いてくれた

自社サイトに診断テストをつくりたいと思いました。しかし私にそのコードを書くスキルはありません。本来なら、最初の打ち合わせから公開まで1~1.5か月の時間がかかり、かつ10万円ほど払ってエンジニアの方に依頼するところです。ためしにAIに相談してみたら、実装できるレベルの診断テストを作れてしまいました。正直驚きました。

作り方としては、診断テストの目的、対象ユーザーの設定を行った上で、診断テストを実施する目的を共有。HTMLで診断テストを作ってもらい、これをHubspotのモジュールに実装できるようソースコードを作ってもらいました(※私の自社サイトはHubspotのCMSを使っています)。

モジュールを埋め込んでテストしたらエラーが出たので、エラー画面をキャプチャして修正を依頼したら、私のサイトのデザインのメインカラーを読み込んで、その色に合わせて修正してくれました。なにこれ、感動。

これについては、後日改めて記事に書きたいと思っています。ちなみに公開したコンテンツはこちら↓です。
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2.発想の壁:同じような考えのループから抜け出せない

ひとりでアイデアを考えていると、思考が煮詰まり、パターン化しやすくなります。新しい視点を得たいのに、いつも同じような発想にたどり着いてしまう。これが「発想の壁」です。

AIとの対話は、この壁を壊す強力なツールになります。AIは人間とは異なる視点や発想法を持っているため、思いつかないような角度からどんどんアイディア出しをしてくれます。しかも何回聞いても嫌がられないので、聞き放題です。

おもに使うAI

  • ClaudeAI

記事のタイトル案出し

たとえば、この記事タイトルを考える際にもClaudeAIを使っています。この記事を書くにあたって、私がClaudeAIに伝えたプロンプトは以下のとおりです。

「私が日常的に何のAIをどう使っているかブログ記事を書きたいです。どんなテーマやタイトルがいいと思いますか私なりの体験を交えながら書きたいです」

「方向性としてはそんな感じが素敵です。タイトル案を10案お願いします」

「創造性の拡張とマーケティング強化をテーマに、再度提案してください」

「『思考の壁を壊すAIの使い方』というタイトルで、私の仕事の仕方がAIでどう思考の壁を壊しているかを記事にしたいです」

このやり取りから、単なるAIツールの紹介ではなく「思考の壁を壊す」という切り口で記事を構成するアイデアが生まれました。私ひとりでは思いつかなかった視点です。

こうしたプロンプト(というか、人に話してるみたいですけど)でClaudeAIに話しかけると、その都度提案を出してくれるので、その中から私が書きたい内容にフィットする部分を選び、記事タイトルを決めました。

その結果できたタイトルが、「思考の壁を壊すAIの使い方」です。ClaudeAIに相談しなかったら、「最近はAIをこう使っています」みたいなだるいタイトルになっていたと思います(笑)。

記事の構成案作成

記事の構成を考える際にも、AIとのブレストを使っています。たとえば、先日書いた記事も以下のプロンプトで相談をしています。

「『コンテンツは資産になる』というタイトルで記事を書きたいです。以下の内容をまとめましたので、これを使いながら構成案を立ててください」

「『経験 コンテンツ化』のキーワードで記事を書きたいです。以下の要素を踏まえて、タイトル案を10案考えてください」

AIとのブレストの特徴は、一方的なアイデア提供だけでなく、対話を通じて自分の考えも整理されていくことにあります。漠然とした思いが、掘り下げる質問によって方向性のある言葉になっていきます。

私がAIを使って記事を書くときに気をつけているのは、その記事に書きたい自分の経験をリスト化し、それをもとに構成案をつくってもらうことです。それがないと、同じAIに同じ質問をした方全員が、画一的な内容の記事を自動生成することになるからです。

それはSEO的に絶対NGで、AIで自動生成記事を量産したサイトは、一時的にアクセス数が増えますが、Googleにサイト評価を下げられ、アクセス数が半減以下にされます。Googleは「E-E-A-T」(個人の経験や背景)を重視したコンテンツを重視していますので、それにそぐわないものは排除していくためです。

※参考記事:大量生成されたコンテンツの不正使用

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WebサイトやSNSのデータ分析

サイトの改善点を見つけるのにもAIは大いに役立ちます。サイトのURLや課題を伝えると、ユーザー体験やSEOの観点から具体的な改善案を提示してくれます。また、私がつくった分析レポートを読み込んでもらい、足りない点やヌケモレを指摘してもらい、追加することも多いです。

とくにGeminiはGA4やサーチコンソールを熟知していますので、分析方法でわからない点があれば教えてくれたり、「〇〇が知りたいなら、〇〇の数値を取得すると〇〇の傾向がわかる」的なアドバイスをくれたりします。

エグゼクティブコーチング

AIをエグゼクティブコーチとして活用しています。「エグゼクティブコーチとして私に質問してください」とAIに役割指定をした上で、対話します。

たとえば、先日、オンラインでのみ接触する方とのコミュニケーションの行き違いがあり、「?」と思う瞬間がありました。そこで、リアルタイムでClaudeAIに会話のやりとりを伝え、どう返信するのがベストかを相談しました。AIに感情がない分、感情的なやり取りが起こらないので、話しているうちに頭が冷静になり、穏やかに終えることができました。

リアルタイムでやりとりをしていたので、短くまとめて返信してほしいと依頼したところ、「今後相手との関係性をどうしたいか」「今あなたが感じている感情の源はどこからきているか」について言及しながら、相手に対する対応指針を短くまとめてくれたのは、すごくありがたかったです。

普段の話し相手、仕事の壁打ち相手になってもらっています。それで足りないときは、人間のコーチに相談します。

3. クリエイティブの壁:考えはあるが適切に言語化・視覚化できない

アイディアはあるけど、適切な言葉や画像で表現できないというフラストレーション。これが「クリエイティブの壁」です。テキスト生成AIや画像生成AIは、この壁も破る強力なツールになります。頭の中のぼんやりしたイメージを、AIとの対話を通じて徐々に具体化していくことができます。

おもに使うAI

  • Napkin.ai
  • Adobe Firefly
  • Whisk
  • ClaudeAI

X(旧Twitter)投稿用の画像作成

毎朝X(旧Twitter)に投稿している「今日は何の日」の画像を、最近はAdobe FireflyやWhiskで作っています。本来はきれいな写真を使うほうが好きなのですが、テキストで作りたい画像を指示できるようにしたいと思い、その訓練のために使っています。慣れないと難しくて、へんてこ画像を毎日量産しています。

というのも、この先、画像生成AIを使える人と使えない人の差が如実に現れそうな気がしています。そのまま何もしないでいると置いて行かれそうと感じたのが、画像生成AIを使うようになった理由です。実際にやってみると難しいですが、頭の中でイメージを表す言葉をいろいろ考えるので、語彙の訓練にもなると感じています。

▼これはWhisk

▼これはAdobe Firefly

記事に入れる図版作成

また、NapkinAIを使って図解を作成しています。私の記事は文字が多いので、「ここに図版が入るといいな」と思う場所にNapkinAIで作ってみると、求めていたイメージが一瞬でできるので重宝しています。

図解を作ってもらう資料作成やディレクションをしなくても、文脈を読んで図解化してくれるのは夢のようです。人に図解を依頼すると、安くて8,000円、高くて30,000円ぐらいするので、これはすごいと感動しています。

この記事にNapkinAIの生成画像が入っています。

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AI活用に関するよくある質問

ChatGPT・Grokについて

ChatGPTも優れたAIツールですが、私は上記で紹介したツールを状況に応じて使いわけています。最初はChatGPTを使っていたのですが、文章系がいまいちなので結局よく使っているのはClaudeAIになっています。

ただ、「Openai o1」は使っていないので、そこはとても気になっています。月3万円にもひるんでいます。使ったほうがいいのはわかっていますが、ClaudeAIが優秀すぎて困ってないのもあります。どこかで触らないとなーとは思っています。

Grokについては、リサーチ機能がすばらしいのでたまに使っています。ただ、某マスク氏のこれまでの経緯を見ると、記入した情報がモデル学習に使われている可能性はなきにしもあらず(※公式にはプロテクトされていると発表されています)。ちょっと嫌だなと思って積極的には使っていません。

ただ、X(旧Twitter)アカウントの分析はGrokがいちばん詳しいはずなので、私が分析したデータやレポートを読み込ませて、分析の分析をしてもらうことはやっています。

AIの精度や限界への対処法

AIはろくでもない結果を出すことも往々にしてありますので、自分がある程度知識があったり、「出したい結果」が見えていないと、使い方に気をつける必要があります。知らないことを知らないままAIに問いかけ、結果をそのまま使おうとするのは、違うかなと。

AIは万能ではないので、あくまでも補助ツールとして考え、最終的な判断は人間が行うことを前提で使います。とくに専門性の高い分野では、AIの出力を鵜呑みにせず、必要に応じて専門家チェックを受けることも必要だと思っています。

費用対効果

AIの費用対効果はとにかく高いと感じています。先ほども書きましたが、たとえば、これ。左2行の項目・費用を、右2行の費用で賄えます。

項目1回あたりの費用AIに支払う費用使用するAI
弁護士費用(契約書チェック)3-5万円月20ドルClaudeAI有料版
診断コンテンツ制作費10万円前後月20ドルClaudeAI有料版
コーチング費用2-3万円月20ドルClaudeAI有料版
図版制作費0.8万-3万円月20ドルPerplexity有料版

20ドルは、今日のレートで計算すると月2,951円です(2025/3/10)。

比較にならないほどのコスト削減に加え、外部に依頼する際の工数はもちろん、依頼にあたっての手間も大幅に削減できています。ただしすべては自己責任です。

プライバシーや情報セキュリティの考え方

数字などの情報を入れるときは注意しています。自分のデータもクライアントデータも機密情報は基本的に入れません。計算などで入れる場合は、どこのデータかわからないように入力します。

また、Geminiは企業向けのGemini for Google Workplaceを使用し、Geminiのモデルトレーニングに使われないよう設定を入れています。

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AIを使わないのは、洗濯機の時代に洗濯板を使うようなもの

AIは、自分の思考の限界を超えるためにサポートしてくれるツールです。知識の壁、発想の壁、クリエイティブの壁、これらをやすやすと乗り越えられるパートナーとして、私の毎日に寄り添ってくれています。

「AIばかり使うと脳が退化する」と言う方もいますが、私はそうは思いません。私にとってAIを使わないのは、洗濯機が発明されて普及価格になったけど、ずっと洗濯板を使っているイメージです。脳を使わないAIの使い方もあれば、脳を拡張するAIの使い方もあります。どちらを使うかは、使う方の選択次第です。

私はAIを使うと、できないことができるようになったり、できることがより専門性を深めて使えるようになるイメージをもっています。今後もどんどん使って、どんどん世界を広げていくつもりです。

書いた人
まてぃさん
「独立して穏やかに暮らす働き方」を軸にデジタルマーケティングの支援を行っています。自分らしさを出せるSEOライティングとか、自分の商品・サービスのよさを伝えるコンテンツの磨き方がメインのお仕事。趣味はキックボクシングと登山。株式会社Rdesign factory代表取締役。
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