自分をコンテンツ化するテクニック

自分をコンテンツ化
まてぃさん

前回記事の続きです。自分の経験を活かして、価値を届けるコンテンツの作り方について、実践的なテクニックをお伝えします。信頼感・共感づくり・説得力を高める・読みやすさについてです。

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信頼される記事を書くためのポイント

信頼される記事はどんな記事かというと、媒体や著者に信頼性があったり、記事に納得できる背景や情報があったり、多角的な視点で物事が捉えられていたりする記事です。それらを伝える方法が、次の3つです。

信頼を高める情報の出し方

経歴や実績を伝える際は、自慢話に聞こえないよう、文脈に合わせて自然に伝えることがコツです。

×:「私は〇〇の資格を持っており、××の受賞歴があります」
:「〇〇の資格取得に向けて勉強していた2018年、ある重要な気づきがありました」

小さな違いですが、読んでいて嫌味がないのは下段のほうですよね。

バランスの取れた視点を示す

何かを提示する際にメリットとデメリット両方を示すと、より信頼されやすい内容になります。たとえば、何かを提案をする際の例です。

Aの最大のメリットは導入することで効率が上がる点ですが、初期費用が比較的高いデメリットもあります。実際に私のクライアントでも、予算の制約が厳しい場合は、別のご提案をします。

説明するまでもありませんが、メリットとデメリットを示されると、強く圧されている感じはあまりしませんよね。

事実と意見を明確に区別する

事実と個人の意見を混同せず、区別することで信頼性が高まります。下記は、信頼できる機関や権威の例を示した例で、「事実→個人の意見」の順に述べています。

マーケティング予算の平均は売上の10〜12%とされています(アメリカマーケティング協会、2021年調査)。私の経験では、新規事業の立ち上げ期は20%程度の投資が必要なケースが多いです。

「個人の意見」だけを伝えると、「それってあなたの感想ですよね」と言われてしまいがち。ですが、信頼できる機関が発信している「事実」を伝えることで、聞き手が納得しやすい土壌を作ろうとしているのがわかると思います。

信頼されるコンテンツづくりについては、Googleが推奨している「E-E-A-T(専門性・権威性・信頼性・経験)」の概念を踏まえられるとなおよいです。下記の記事に詳しくまとめています。

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読者の共感を得る書き方

つかみが大事。それが共感を得るポイントです。独りよがりに何かを相手にぶつけても、共感は得られませんので、自然と受け入れられる情報のクッションや踏み台を用意します。

感情移入を促す表現を使う

読み手の立場に立ち、共感を呼ぶ表現を使うことで親近感が生まれやすくなります。

「初めてのプレゼンテーション。緊張のあまり頭が真っ白になった経験はありませんか? 私も就職して1年目、クライアントへの提案で同じ経験をしました」

このように、最初に呼びかけることで、読み手が「あるある」と心で反応したくなるよう促します。

共感を生む具体的なエピソードを加える

冒頭の導入や全体の結論には、具体的なエピソードがあると読み手に納得感がつくりやすいです。導入では読み手の興味を引き、最後のまとめでは、腹落ちできるよう促します。

たとえば、「初めての動画編集のコツ」という記事を私が書いて、経験を記事にする体験はとてもよいと伝えたいとします。

先日、私が書いた『初めての動画編集のコツ』という記事について、Gさんから『この記事を読んで、スマホで動画編集アプリを使ってみました。初めてなのに3分の動画が作れて、友達にすごいねって言われました!』とメッセージをいただきました。こんなふうに誰かの行動のきっかけになることが、自分の経験を記事にするいちばんの喜びだと感じています。

ここは、「誰かの行動のきっかけになることが、自分の経験を記事にするいちばんの喜びだと感じています」の一行を最後のまとめとして書きたいだけです。ですが、具体的にあったGさんのエピソードを加えると、読み手にとってリアルにイメージしやすくなります。

抽象的な概念を身近に感じさせるたとえ話を入れる

抽象的な概念は、具体例を示すことで格段に理解されやすくなります。

私は難しい概念を説明する際はとくに、身近な例を添えるよう心がけています。この「たとえば」のひと言を添えるだけで、読み手の内容に対する理解度が飛躍的に上がるからです。

「たとえば」で例を挙げるのは、慣れても慣れなくても大変です。事例をたくさん持っていても、文章で書こうとすると頭にさっと浮かばないのです。でも、何度も何度も「たとえば」を使って書こうとしているうちに、書けるようになってきます。ここはあきらめずに取り組んでみてください。毎回入れるのが苦しければ、ひとつの文章に一例からでも。

昨日の記事にも書きましたが、「たとえば」と書いて内容が浮かばないときは、自分に経験がないだけでもあります。そのときは、イメージで例を挙げてもいいですし。

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説得力を高める書き方

文中で何かを説明する機会は多いと思います。事実だけ書くと報告書のようですし、意見だけを書くと日記のようになってしまいます。ですから、その際は以下のような例を挙げながら説明すると、背景が理解できたり、自分事として捉えやすくなります。

具体的な事例を挙げて説得力を増す

何かを説明するときは、具体的な事例を紹介するほうがずっと説得力があります。

ある中小企業のオーナーは、毎週金曜日に自社の製造現場の裏話をブログで公開することにしました。すると、その記事が評判を呼び、半年でブログをきっかけにした問い合わせが3倍に増えました。工場での失敗談や試行錯誤の過程を包み隠さず伝えたことが、専門性と誠実さの両方が伝わったのです。

「ブログを書いたら問い合わせが増えました」とさらっと書くより、何を書いて何が起こったかがわかりやすくなりますよね。

「なぜそうなったのか」の因果関係を説明する

何かを説明する際は、結果だけでなく、そこに至るプロセスや理由を説明します。順を追って説明が、読み手の深い理解につながります。

なぜこの方法が効果的だったのでしょうか。それは、顧客心理の3つの段階に合わせたアプローチを丁寧に行ったからです。第一段階では〇〇、第二段階では〇〇、そして第三段階で〇〇をしました。

「3つの段階」など数字が入ると、読み手にとって「ポイントは3つ」と理解しやすくなります。それに合わせて、流れを説明することで腑に落ちやすくなります。

複数の視点を示して信頼性を高める

何か物事を示す際は、ひとつの視点だけでなく、複数の立場からの考察を示すことで、バランスの取れた内容になります。たとえば、何かの施策を提案したいときの流れを説明する場合。

Tさんが提案した施策について、マーケティング担当者からは「効果測定がしやすい」という評価がある一方、制作チームからは「スケジュールが厳しい」という指摘もありました。提案を顧客視点で考えると、「連休に合わせたタイミングでちょうどよい」とも考えられます。

Tさんが提案した施策を評価するにあたり、Tさん以外の視点から説明する文章になっています。こうすると多数の視点からひとつの物事を評価している様子が伝わります。

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読みやすさを高める工夫

読みやすさを考慮するのも、読まれるコンテンツにするために必要な工夫です。

目に優しい文章構成にする

読みやすい文章構成には、いくつかの基本ルールがあります。まず、全体の構成案を先に作り、その後に詳細を埋めていきます。ざっと見て流れがわかるのって大事ですよね。

読み手が内容を把握しやすい見出しをつくり、伝える情報量を“いい感じ”に調整します。また、必要に応じて記事を分割するなど、読み手の負担にならない分量を意識します。読みやすさは、継続的に読んでもらうコツだからです。

読み手を飽きさせない段落づくり

ブログにおけるひとつの段落は1〜3文程度に抑え、長くても5〜6行以内がいいと言われています。スマホで表示された際に適宜改行が入って読みやすくなるためです。また、質問文や感嘆文をときどき入れることで、文脈に変化をつけると、読み手が飽きずに楽しめます。

この書き方に興味が湧いてきましたか? 次に、具体的な方法をご紹介します。

といった具合に呼びかけたりして。これは好みなので、やってもやらなくてもいいのですが、私はあまり好きではないので、やっていません。文中で呼びかけられると「誰なのよ、あなた」と感じてしまって(笑)。

目が飽きない流れをつくる

文章だけでなく、図解、表、箇条書きなどを適切に使うと、より、わかりやすくなります。文字だけだと目が疲れますしね。

経験をコンテンツ化するメリット

  • 他者が真似できない差別化要因になる
  • 読者との信頼関係を築きやすくなる
  • 検索エンジンでの評価(E-E-A-T)が高まる

たとえばこういう箇条書きもそうですね。箇条書きが入っていると、簡潔に情報が整理しやすいので、読み手の目に入りやすくなります。

誰に読んでほしいかによって「読みやすさ」は変わる

たとえば、私のこのブログは、文章を読むのが苦ではない方を対象としています。

ウェブサイトでのスマホユーザーの割合は、今は通常8~9割を超えています。ですから、スマホユーザーに気軽にサクサク読んでもらうことを想定すると、このブログのように右から左に文字いっぱい詰めて書くやり方は、あまり賢明とは言えません。

アメブロが一世を風靡した時代、6-10文字以内に1行をおさめ、詩のように短い文章をブロックのように組み立て、延々縦スクロールさせる文章が好まれました。文章量も多くなくていいですし、文章を読むのが苦痛に感じる方にとっては、そのほうが読みやすい方も多いと思います。

私がこのブログを書いているのは、SEO対策でキーワードを埋めるように記事を書いているので、文字数が必要という事情もありますが(笑)、それ以上に、長文を読む方にこそお客様になってほしいからです。私のお客様になってくださる方の多くは、ご自身が長文を書く必要に駆られている方が多いからです。

ですから、私が書いているノウハウ自体は、長文を書いてSEO対策を行い、流入数を増やして顧客と獲得していくためのノウハウでもあります。短文を読んで集客したい方のノウハウは、やり方が異なります。

「誰に読んでほしいか」によって、読みやすさのつくり方は異なりますので、その点も頭に入れていただけるといいと思います。

余談ですが、SEO記事としては、正しくは400-500字おきにオリジナルの画像や動画を入れるとよいですが、入れていません(笑)。今はとにかく記事数を増やしたいので、その辺はあとからやります(たぶん)。

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自分をコンテンツ化するということ

自分だけのコンテンツを持つことは、ビジネスにおける大きな差別化要因になります。そのカギは、自分自身の経験を読み手にとって価値ある形で伝えることです。

年を重ねることは、経験が増えて「コンテンツ長者」になることだと私は考えています。これまでの経験は、他の誰も持っていない貴重な資産です。

「自分には何もない」と考えている方は、一度ご自身の知識や経験を見直してみてください。「すでにある」と思って経験や知識を棚卸しすると、コンテンツづくりへの心理的ハードルが下がります。そうしたら、前回記事やこの記事で紹介した方法でコンテンツ化してみてください。すでにそこにあるものですが、他人にわかるように説明が必要なだけなのです。

書いた人
まてぃさん
「独立して穏やかに暮らす働き方」を軸にデジタルマーケティングの支援を行っています。自分らしさを出せるSEOライティングとか、自分の商品・サービスのよさを伝えるコンテンツの磨き方がメインのお仕事。趣味はキックボクシングと登山。株式会社Rdesign factory代表取締役。
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