独立した人の、自分に合った仕事の探し方
私自身、紹介中心の働き方から案件サイトでの仕事探しまで、試行錯誤を重ねています。フリーランスやひとり会社など、同じように働く友人・知人に聞いたり相談してみると、仕事の獲得方法は本当に人それぞれ。大切なのは、自分に合った方法を見つけることです。
実際に、私の周りで活躍している友人・知人の仕事の獲得方法を思い出しながら書いてみます。
法人向け特化型
私の知人に最も多いのが、企業との取引に特化している方です。会社員時代の人脈を活かして法人向けの仕事をスタートし、その後は各企業の個人を通じて紹介が広がっていくパターンです。
特徴的なのは、一度信頼関係を築くと長期的な取引になりやすいこと。「○○さんから紹介された方なら」という安心感から取引が始まり、実績を重ねることで次の紹介につながっていきます。私も、長い間このスタイルです。
業界特化型
次に、特定の業界に深く入り込んで仕事を得ている方々です。
- 飲食専門のデジタルマーケティング支援をしている友人
業界内での評判も高く、ひとつの仕事がそこだけで終わらず、次につながっていくことが多いです。顧客に寄り添う力がすばらしく、「そこまでやる?」と思うぐらい懇切丁寧。
彼は実店舗でのプロデュースや運営経験もあるので、経験に基づく深い知見が強み。機転が利き、フットワークがめちゃ軽です。クライアントの要望を伺って、ふわっとした内容をひとつの方向に絞り、強みとして打ち出すのがすごく上手です。だけど、ゆるふわ(いいわ~)。 - 製造業を中心にデジタルマーケティング支援している友人
理系の強みを活かした業務理解が強み。難易度の高い専門業務への理解力が高く、その点からも顧客の信頼が篤いです。
講師業もしているので、講師同士や受講生を通じたネットワークもありますし(だけど自分から使わない)、何よりスマートで優しい。コミュニケーション能力も非常に高く、顧客が自分で言葉にできない課題を発見するのがとても上手。
ときに厳しくもありますが、優しさからくる厳しさであることが伝わるのも、彼女のすばらしい点です(最近会ってないけど大好き)。
業界特化型の面白いところは、法人だけでなく個人事業主からの依頼も多いことです(業種にもよります)。業界特有の課題に精通しているため、規模に関係なく相談が寄せられるようです。
登壇・セミナー型
外部での講演やセミナーを通じて仕事を獲得している方々もいます。
受講生として参加した講師(デジタルマーケティング支援業)の話です。セミナーでの話し方が上手なだけでなく、受講者ひとり一人の課題に寄り添うことを大切にしている方で、「なんでも質問してください。質問は全部お答えします。セミナー後の雑談の時間を僕はとても大切に思っています」と。
そこでの会話がきっかけに信頼関係が生まれ、のちの仕事依頼につながることも多いそうです。
この方法の特徴は、クライアントとの最初の接点で自分の専門性や人となりを直接、しかも十分に示せることです。話を聞いた方が「この人に相談したい・任せたい」と思えば、そこからビジネスが始まりますし、実際そういったお仕事の引き合いが大半を占めるそうです。ほかの講師の方に伺っても、概ね同じ話でした。
コンテンツ発信型
情報発信を中心に仕事を獲得している方々もいます。ブログやSNSでの発信を通じて見込み客を集め、メルマガやブログ等で関係性を深めていく。そこから個別相談や業務依頼につなげる、いわゆるコンテンツマーケティングやリストマーケティングです。
- ビジネス系ノウハウのブログ
日々記事を公開し、最新情報や詳報を届けています。より詳しい資料をダウンロードできる仕組みも用意。資料ダウンロード時にメールアドレスを登録してもらい、そのリストに向けてメルマガを配信。そこでさらに深い情報を提供しながら、具体的なサービスの案内につなげていく流れです。 - YouTubeやブログで課題解決につながる情報を発信
専門とするトピックで注目を集め、毎日欠かさず配信を続けることで、熱心なファンを育てています。動画やブログのプロフィール欄でメルマガ登録を促し、ファンの方々に向けてメルマガを通じてサービスを展開するというスタイルです。
どちらも私がお世話になっている講師の方のケースですが、共通しているのは、
- 日々の発信を欠かさない
- まめ
- 話が簡潔な上、おもしろい
- 重要な点を隠さず、もったいぶらない
- 心を開いた発信(本音)を続けている
点です。
どちらも「ここまで具体的に書くの(話すの)?」と思うような詳しい情報を発信しています。なかなかできることではありません。だからこそ、ユーザーの心をつかめるのだと思います。
サービスに興味をもった方は、もっとその方の話を聞きたくて、自然とメルマガ登録に流れていきます(笑)。公開コンテンツ・非公開のメルマガを通じてより濃いファンとなってもらい、結果的にファンに向けたサービスを提供し続けるビジネススタイルです。
うまくいっている方に共通する特徴
ここまでご紹介した方々には、いくつかの共通点があります。
目を引くのは、高いコミュニケーション能力です。法人向けビジネスの方は、企業間の信頼関係を構築・維持する力。業界特化型の方々は、業界特有の課題を理解し、解決に導く力。登壇される方は、セミナーでの分かりやすい説明と、ひとり一人に寄り添う丁寧なフォロー。コンテンツ発信型の方は、読み手・視聴者の心に響く情報提供。
それぞれのアプローチのしかたは異なりますが、「相手の課題を深く理解し、最適な解決策を提案する」という本質的な部分では共通しています。加えて、行動が速いです。
また、自分の得意分野で勝負していることも大きな特徴です。単なるスキルだけでなく、その方の性格や価値観とも深く結びついています。
- 企業との長期的な関係構築を好む方は法人向けビジネスで
- 特定分野への探究心が強い方は業界特化で
- 人前で話すことが得意な方は登壇やセミナーで
- 文章や動画での表現力がある方はコンテンツ発信で
それぞれが、自分の特性を活かせる方法を見極めて、選んでいるのです。
ちなみに案件サイト
挙げた方は多くが同業者で、デジタルマーケティング支援業をしています。デザイナーやエンジニアをしている友人たちは、案件サイトを使っているケースもあります。
単価は、ピンキリ。案件サイトの案件で単価を上げようとすると、週5出社型にどんどん近づいていきます。それがイヤなので、得意分野を磨いて強みとし、上位工程・在宅ワークのみに絞って応募している友人もいます。
また、出社型を選んだ別の友人の話です。
依頼企業側がフリーランスにやってほしい業務を言語化してうまく伝えられないので、出社を望むケースもあります。「コミュニケーションからこちらの意図を汲み取って仕事をしてほしい」と。
こういう場合、職場が比較的のんびりしていて、ゆったり過ごせて快適なことも。ただし、言語化できていない=業務量が把握できていないので、受注前に料金と稼働内容の確認しておかないと、出社後、調整に難儀することも(友人談)。
そんなわけで、案件サイトに関しては、その人自身がどう働きたいかのスタイルによって、案件を選ぶ基準も、そのよしあしも変わってくるのかなあと思います。
自分に合った方法を見つけるポイント
では、どうすれば自分に合った仕事の獲得方法が見つけられるのか。私が自分の傾向と対策(?)考えた経緯を踏まえて、まとめてみます。
■自分の性格や行動パターンを考える
- コミュニケーション能力があるか(する気があるか)
- 継続的な情報発信は続けられるか
- 特定の業界に対して強い関心があるか
- 長期的な関係性を築くのは好きか
■強みを専門性としてより磨く
- 自分の専門性
- どんな経験が自分の財産になっているか
- 人からよく褒められることは何か
- どんな仕事をしているときがいちばん楽しいか
■目指したい働き方のイメージをつくる
- 月の稼働時間はどれくらいか
- どんなクライアントと働きたいか
- この先どんなライフスタイルでありたいか
- 「こうなりたい」イメージを実現しているのは誰か
こういった要素を見ていくと、自分に合った方法が見えてきます。
上のリストには入れませんでしたが、子ども時代から今に至る自分年表をつくって、「(自分にとって)大きなできごと」「好きなこと」「人に褒められたこと」をリストアップすると、今自分がもっている強みや「人に求められること(自分に対するニーズ)」につながる系譜がわかります。ちょっと時間はかかりますが、なかなか興味深いです。
で、私がなぜこうして毎日ブログを書いているかというと、「法人向け特化型」から「コンテンツ発信型」にシフトしようと思っているからです。ウフフ。