インターネット上で自分のキャラクターをどう見せるか。ブランディングの始め方

自分のブランディング
まてぃさん

「オンライン上でどんなキャラクターを見せていくか」が今日の記事テーマです。ブログやSNSで発信したいけど、どう自分を見せればいいか悩む方は多いです。

先日キャリアコーチングを副業として始めようとしているJさんと話す機会がありました。Jさんは「自分らしさをどう出していくか」「オンライン上でどんなキャラクターを作っていけばいいのか」という点で悩んでいました。

これは、いわゆる「ブランディング」に関する悩みです。ウェブ初心者でも始められるブランディングのヒントを整理してみます。

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オンラインでキャラクターが必要な理由

誰に、何を、なぜ伝えたいのかを決めるとキャラも決まる

大事なのは、なぜ発信するか目的をはっきりさせることです。ここで言うキャラクターとは、方向性です。これはブランディングの第一歩になります。

ブランドをつくる

Jさんはメーカーの人事部で7年間、採用と社員研修を担当してきた30代の男性です。最近は副業でキャリアコーチングを始め、本格的に個人事業化を考えています。キャリアコーチングを通じて「誰かに教えること、伝えること」に価値を感じているそうで、自分がいいキャリアを歩むのと同じくらい、誰かの成長をサポートすることにやりがいを感じているそう(いい人だ)。

とはいえ、SNSやブログで「キャリアコーチングやってます!」と言っても、誰も来てくれません。ここで必要なのは、Jさんの知識やスキルを本当に必要としている方に、どう届けるかです。

たとえば、キャリアコーチングといっても、ジャンルは様々。相談相手も相談内容も幅広くあります。

  • 新卒の就活生向け
  • 転職を考えている30代向け
  • 管理職になったばかりの40代向け

対象となるお客様のイメージを具体的にすると、発信する内容や言葉選びが変わります。

方向性が散漫だと、雑多アカウントだと思われて埋もれる

ここでJさんが選ばれるためには、Jさんが何に詳しくて、どんなシーンで人の役に立てるかを知らない方に伝わるように見せ、伝え続けることです。

  • なぜキャリアコーチングをしているか
  • 何に困っている方の力になれるか
  • どんな実績があるか
  • 具体的にどう力になれるのか

などをSNSやブログで伝え続けることで、読む方が親近感や信頼感を持ってくれるからです。ですから、相談されたい相手に対して、Jさんが相談されたい内容に合わせた情報発信をすることが、ひとつのキャラクター(方向性)になります。

信頼を築く

この場合、キャラクターを見せるためにSNSを始めたなら、繰り返しになりますが、投稿内容は、以下の内容に絞ることをおすすめします。

  • なぜキャリアコーチングをしているか
  • 何に困っている方の力になれるか
  • どんな実績があるか
  • 具体的にどう力になれるのか

投稿する内容がないからといって、ランチやお出かけの内容を入れると、方向性がぶれます。もし投稿するなら、この4つの方向性と関連性を持たせられる内容にすることをおすすめします。

SNS(Instagram・X・Thread等)は投稿内容をアルゴリズムが判断していて、ジャンルが定まった投稿をしていると、類似アカウントに投稿表示がされやすく、似た内容を好むユーザーにレコメンドされやすくなります。

逆に言うと、人事系の投稿をしながらランチやおでかけ情報が同量やそれ以上に入っていると、人事系アカウントとしてみなされず、アルゴリズムに雑多アカウントとして認識され、必要としている方に届きにくくなります。

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自分が伝える内容の価値はどこにある?

「自分には何もない」と感じる方もいますが、それが何?

「同じような専門家がたくさんいるのに、私の何が特別だと言えるの?」と普通は思います。私も思いましたし、今も思っています。でも、そこで自分の価値のなさに打ちひしがれても何も変わりません。行動するためにできることをすると決めて、とにかくやってみます。

自分の価値

Jさんの場合を例に考えてみます。

彼はキャリアコーチとして活動を始めたいと思っていますが、最初は「どんなキャリアの相談にも乗れます!」というスタンスでした。あるとき、同期入社の友人が「本当にやりたいことがわからない」と悩んでいたので相談に乗ったところ、「自分の考えを整理できたし、方向性がわかった」と感謝されたそうです。

この経験がJさんの心に残り、人事の枠を超えてキャリア支援をしたいと思うきっかけになりました。

そこでキャリアコンサルタントの資格を取得し、社内で希望者向けのキャリア面談を始めたところ、「何かを変えたいけれど一歩踏み出せない」という20代後半〜30代前半の若手社員からの相談に、自分の強みを発揮できていると実感。

こうしたケースを軸に活動していこうと思い定めるようになりました。「やりたいことが見つからない20代〜30代のビジネスパーソン」という具体的なお客様のイメージが見えてきたわけです。

これが「専門性」であり、「得意分野を絞る」ということです。

自分の専門性を見つけるための質問リスト

自分の専門性を見つけたい方には、こんな質問を自分に投げかけてみるのもおすすめです。

  • どんな経験が今の私をつくったんだろう?
  • 〇〇の分野で、とくに情熱を感じるポイントは何だろう?
  • 私自身が乗り越えてきた課題は何だろう?
  • どんなクライアントと話すと、役に立てる感覚があるかな?

こうした問いに向き合ってみると、自分の強みやストーリー、得意なことが見えてきます。

【具体的なサービスをつくる】解決できる問題を明確に

理想のお客様が「欲しい」と思う名前をつける

仕事として始めるなら、サービス名が必要です。自分が提供できるサービスの具体的な内容もある程度決めたいところです。自分の理想のお客様が「〇〇さんに相談したら解決できそう」と感じてもらえるようなサービスを考えます。

たとえば、Jさんの場合なら、こんなセッションがあるとよさそうですよね。

  • やりたいことを発見する90分キャリア整理セッション
  • 20代・30代向け自己分析ワークショップ
  • 安定を捨てずに一歩踏み出すためのキャリアプランセッション

Jさん自身が企業に勤めながら副業としてキャリアコーチング活動を始めた経験が積み重なっていくと、「安定を捨てずに一歩踏み出す方法」自体も、いずれ経験を踏まえた実践的なサービスメニューにできそうです。

こうして具体的な内容がわかるサービスの名前をつけると、お客様が抱える課題をどう解決できるかが伝わりやすくなります。

サービス名自体が何を解決できるかわかりやすいと何が起こる?

何も決まってないけど勢いで始めよう、となった場合、Jさんなら「キャリアに関する個人セッション90分」という名前をつけがちです。お客様に合わせてカスタマイズできるという理由もあって、この名称を選ぶこともあると思います。

ですが、ここでは自分の専門性に特化したサービス名「やりたいことを発見する90分キャリア整理セッション」をつけたいところです。

相談テーマが決まっていますので、お客様はどこから話せばいいのかも検討がつきますし、Jさんに相談して期待できる結果も想像しやすくなるからです。同業者との差別化もしやすくなります。

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【検索されるための工夫】お客様が使う言葉で話す

伝わりやすいプロフィールやメニューを書いたら、それらを必要としている方に見つけてもらう努力が必要になります。ここで出てくるのが、SEO(検索エンジン最適化)の考え方です。

自分が理想とするお客様は、どんな言葉で検索するでしょうか?

そのお客様が検索する言葉を自然な形で、自分のプロフィールやブログ記事、SNSの投稿に組み込みます。Jさんなら「やりたいこと 見つからない」「キャリアチェンジ 方法」「副業 始め方」「キャリア相談 20代」「キャリア相談 30代」といったキーワードが考えられます。

これを「検索意図」と言います。

検索意図

検索意図とは、ユーザーが検索するときの目的や知りたいことです。ですから、お客様が使う言葉、お客様の課題を解決する言葉を使って、記事やSNS投稿をし続けます。お客様の検索意図を満たす投稿が増えれば増えるほど、結果的に自分が発したSNSの投稿やアカウント、ブログを見つけてもらいやすくなるからです。

【一貫したキャラクターをつくる】信頼を積み重ねる

自分が大切にするテーマを他人にわかりやすく表したもの、それがインターネット上のキャラクターとして見えるようにしたい。そのためにできることは何か、という話をここまでしてきました。

ブログ、SNS、メルマガなど、どのプラットフォームでも一貫したメッセージと価値観を発信します。その年月と発言数が積み重なることで、「この方は〇〇が好きなんだな」「この方は〇〇が言いたいんだな」と伝わりますし、信頼感も生まれてきます。

Jさんなら「自分らしいキャリアの大切さ」「安定と挑戦の両立」「小さな一歩から始めるキャリアデザイン」といったメッセージを一貫して発信することで、「キャリアの一歩を踏み出すならJさん」というイメージが定着していきます。

私の場合なら、コンテンツマーケティング・SNSの話と、「今日は何の日」の話をしているので、そういう人なんだなというイメージを持たれています。総じて「まてぃさん」という名前のキャラとして認識されており、「川俣さん(←私の苗字)」と私を呼んでいたリアル知人も、今は会うと「まてぃさん」と呼びます。

これが、キャラクターが定着するイメージです。

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インターネット上での自分らしいキャラは小さな一歩から

インターネット上でのキャラクター(ブランディング)は、一朝一夕にはできません。検索結果に表示されたり、探したときにすぐに見つかるようになるには、少し時間がかかります。

だからこそ、自分の好きで得意な分野で、自分らしい言葉を使って発信し続けることが大切になります。そして、発信を続けるうちに、「この人に相談したい」と思ってくれる方が自然と集まってくるようになります。

紙やデジタルメモに、「私の専門分野は〇〇です」と自分の専門分野に関連する言葉を5つ書き出してみてください。それがもし書けないなら、自分の専門分野が、現時点であいまいだということです。だとしたら、そこを見つけるところから、始めます。

書いた人
まてぃさん
「独立して穏やかに暮らす働き方」を軸にデジタルマーケティングの支援を行っています。自分らしさを出せるSEOライティングとか、自分の商品・サービスのよさを伝えるコンテンツの磨き方がメインのお仕事。趣味はキックボクシングと登山。株式会社Rdesign factory代表取締役。
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