ユーザーに刺さる季節コンテンツの「温度感」調整のしかた

私のブログには、SEO的には完全にアウトな基礎化粧品の記事があります。このブログのメインテーマとは全く異質な内容で、サイトの評価を下げる要因にもなります。それでも、この記事を書くことには、理由があります。
30-60代の女性と30代前半の男性に「何の化粧品を使っているの?」とリアルで会う方によく聞かれます。「詳しくはここに書いてあります」とリンクを送るために記事を書いており、私にとっては、業務効率化のひとつでもあります。
ブログ本来の主旨と異なるからこそ、雑誌の記事を書くときのイメージで戦略的に化粧品の記事を書くようにしています。冬から初めて初夏まで書いてみて、なるほどと思った効果がありましたので、記事にまとめてみます。

なぜ「初夏の紫外線対策」は「春の紫外線対策」より響くのか
同じ紫外線対策の記事でも、タイトルに「春の」「初夏の」「真夏の」をつけるだけで、ユーザーの反応は変わります。
「春の紫外線対策」では「もう手遅れかも」と感じるユーザーも、「初夏の紫外線対策」なら「今からでも間に合う」と前向きに捉えてくれます。この微妙な温度感の違いが、季節コンテンツとしての反応のよしあしを分けます。

季節が始まる少し手前に書くのが重要
季節ごとに使う基礎化粧品を変えているため、記事も「春のスキンケア」「夏のスキンケア」という形で季節ごとに更新しています。すると、季節の変わり目になると、その季節に関連するキーワードでユーザーが流入してくるようになりました。
重要なのは、季節の「真っただ中」ではなく「始まりかけ」を狙っている点です。雑誌と同じ考え方ですね。季節が始まる半歩前で記事にするという。
「【初夏】40代の紫外線対策を主としたスキンケア」という記事を例に考えてみます。ここには複数の温度感調整が込められています。
- 年代の絞り込みによる親近感
「40代の」という具体的な年代を入れることで、同世代のユーザーに「私のことだ」と感じてもらえます。20代でも50代でもなく、40代。ピンポイントです。 - 「主とした」という控えめな表現を使う
「完璧な」「究極の」ではなく「主とした」という柔らかめの表現を使うことで、ユーザーに威圧感を与えません。「私もこのくらいならできそう」と思ってもらいたいのと、単純に私がそういう強い表現を好まないことも理由です。 - 「初夏」という絶妙なタイミング
「夏」ではなく「初夏」にすることで、「まだ間に合う」「今から準備すれば大丈夫」という安心感が出ます。季節を春にしてしまうと「もう遅い」感が出てしまいますので。
データが証明する「温度感」の威力
この基礎化粧品記事の滞在時間を調べてみると、他のコンテンツ系や独立系記事の3倍長いことがわかりました。
効果とは別で面白いのは、この記事があることで私の人間臭さがよく伝わるようになったことです。商品を選ぶ際の基準とか、オタクとしての気持ち悪い反応やリサーチ力、こだわりなどの人間性が伝わって、私という人間を理解していただく材料にもなっています。

ユーザーの心理状態に寄り添う言葉選び
季節コンテンツで最も重要なのは、ユーザーの心理状態を理解することです。
春: 「新しいことを始めたい」気持ちが高まる時期
初夏: 「なにか準備をしておかないと」という予防意識が芽生える時期
真夏: 「もう遅いかも」という焦りと諦めが混在する時期
秋: 「リセットしたい」「立て直したい」気持ちが強まる時期
同じ内容でも、ユーザーがどの心理状態にいるかで言葉を選び分ける必要があります。
焦らせたり、じらしたりするとユーザーが離れてしまいますが、かといって、緊急性や重要度が伝わらないと行動に移してもらえません。このバランスを取るのが「温度感調整」の核となる考え方です。

雑誌の見出しってそうなっていると思いませんか。季節や時代の半歩先の読者の課題を、先に提案していますよね。
他のコンテンツにもこの考え方は応用できる
この温度感調整の技術は、基礎化粧品以外にも、あらゆるコンテンツに応用できます。
ビジネス系記事なら
- 「新年度の」よりも「新年度を控えた」
- 「年末の」よりも「年末に向けた」
学習系記事なら
- 「試験直前の」よりも「試験準備期の」
- 「新学期の」よりも「新学期を迎える前の」
ライフスタイル系なら
- 「夏本番の」よりも「夏を迎える前の」
- 「年末年始の」よりも「年末年始を前にした」
みたいな感じで。言葉遊びのように見えますが、この言葉遊びをたくさん使えるようになると、ネタ切れに困りにくくなります。

「季節の始まりかけ」が持つ力を最大限に利用する
ユーザーは常に「今からでも間に合うか」を気にしています。その不安に寄り添って、「大丈夫、今からでも十分間に合います」というメッセージを言葉の温度感で伝える。これが季節コンテンツがうまくいくポイントです。
SEO的に不利だと思われる記事でも、ユーザーの心に響く温度感で書かれていれば、必ず価値を生み出します。大切なのは、検索エンジンではなく、画面の向こうにいるひとり一人のユーザーの気持ちに寄り添うことなんですよね。
それにしても、基礎化粧品記事がこんなに読まれるとは思ってませんでした。オタク冥利に尽きます。
で、今日からメガ割が始まります。私が買おうと思っているのは、「Dr.Melaxin(ドクター・メラクチン)」のアンプルと、センテラのアンプル(いつものやつ)。プレセールでメラクチンのカルシウムアイケアアイテムが破格の 999円/個 だったので、2種4個買いました。すでに、ホックホクです。