経験を価値やコンテンツに変えるには
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自分の経験を価値に昇華し、コンテンツにするには、普段無意識でしている行動から自分がもつ価値観や行動の根底にある思いに気づく必要があります。大切なのは「見方を変えること」です。
長年、芸能人の方や企業等へのインタビューを通じて、「あたり前」の中に隠れた価値を見出し、言語化する仕事をしています。その経験から、普段どうやって経験を価値として記事にしているか書いてみます。
この記事の目的は、自分自身の経験を自分で使いこなすために、自分の価値を掘り起こすことです。

自分の「あたり前」から価値を見つける方法
価値は、身近なところにあります。大切なのは「インタビュアーの目」を持つことで、自分自身を第三者視点で観察します。
自分自身の価値を見つける例として、1日の行動を細かく観察することが挙げられます。
- 何をしているか
- なぜそうするのか
- 誰のためにそうしているのか
これらの問いに答えることで、無意識の行動の中に価値観が見えてきます。
たとえば、私自身の場合、日々の習慣にランニングと筋トレが欠かせません。なぜしているかというと、高い山に登りたいからです。高い山に登ることは楽しみでもありますが、心身の自己鍛錬にもつながりますし、登山を通じて新しい視野と体験を得続けることができるからです。
この行動の裏には、自己鍛錬が好きで、何かを続けることや達成感を得ることに価値を見出しているとも考えられます。私がデジタルマーケティング業務に自分が向いていると思っているのは、私自身の資質と、継続と改善が必要な業務の性質が合っている点です。これも私のひとつの価値と言えます。
見つけた価値に名前をつける
発見した価値を形にするために重要なのが、見つけた価値に名前をつけることです。名前をつけると抽象的なものが具体化され、人に伝えやすくなります。
たとえば、パン屋さんが「毎朝4時から仕込みを始める」という行動に名前をつけるとします。これは単なる習慣ではなく、「焼き立てを売る」こと自体が価値であり、「朝いちばんの幸せを届けたい」想いの表れがそうさせているのかもしれません。
パン屋さんにとって、「焼き立てを売る」「朝いちばんの幸せを届けたい」この想いは、言葉にできる価値になります。
価値に名前をつける際のポイントは、
- その行動が生む結果に注目する
- 受け手にとってのメリットを考える
- 感情的な要素も大切にする
です。
私の場合、おこがましいようですが、「価値の伝道師」とも言えます。この記事を書いている行為自体もそうなのですが、その背景を言葉にすると、
- 他者の無自覚な価値を見出し、言語化できる
- 日常の中に埋もれた価値を発掘する目を持っている
- その価値に名前をつけることで、形のない価値を具体化できる
ということになります。
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経験を価値に変える質問
では、実際にあなたの行動と経験を価値に変えていきましょう。以下はセルフインタビューの質問例です。
- 今日1日で、誰かのために行った行動は何かありますか
- その行動によって、相手はどう変化しましたか
- なぜその行動を続けていますか
- どんな瞬間にやりがいを感じますか
これらの質問に答えながら、あなたの「あたり前」の中にある価値を見つけてみてください。言葉にしてみると、自分が無意識に実現したい何かのために行動している思いが見つかります。
価値を他者に伝えるためのフレームワーク
見つけた「思い」に名前をつけるには、まだ情報が足りず、「価値のたまご」の状態かもしれません。その場合は、別の視点でもう少し掘り下げます。次の質問を自分に問いかけてみてください。
1.時系列で見る
- その行動をなぜ始めましたか
- どんな経緯があって今に至りますか
- 今に至るまでの重要な転換点はありますか
2.人を軸に見る
- 行動したあなた自身はどんな気持ちで行っていますか
- 受け手に何か変化はありましたか
- あなたの行動に関係する方の反応はどんな反応ですか
3.結果を軸に見る
- あなたが行動した結果、生まれた価値は何ですか
- その行動を継続している理由は何ですか
- その行動を続けることで、何か将来の可能性はありますか
上記の質問をすると、自分の考えや行動の価値観が言葉になり、共通点や一貫性が見つかります。そこに名前をつけます。たとえば、私が自分の価値として上記の「価値の伝道師」のほかに名前をつけたのは、次のふたつです。
「共感的観察者」
- 取材時に相手が笑顔になる瞬間と思いに注目できる
- お客様への想いや、成果が出たときの喜びに共感できる
- 話を深く掘り下げ、細かな観察眼を持っている
「価値の構造化」
- 商品やサービスの背景にあるストーリーを紡ぎ出せる
- 「なぜ始めたのか」「なぜ続けているのか」という本質的な問いを立てられる
- 目に見えない価値を、第三者にも伝わる形で表現できる
重要なのは、こうして言葉にできる経験は「あなたにしかない価値」である点です。一見遠回りに見える経験や関係ないと思うような過去も、振り返って名前をつけてみると価値になります。大切なのは、経験をそのまま活かすのではなく、翻訳して活かすことです。
私も自分の価値に名前をつけて、こうして記事のネタとして使っています(笑)。
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価値の発見は観察から始まる
経験を価値に変えるプロセスは、まず自分を観察することから始まります。そして、見つけた価値に名前をつけることで、他者に伝わるコンテンツにもなります。
あなたの経験には、自分では「こんなちっぽけなこと」と思うことにも、必ず誰かの役に立つ価値があります。ぜひあなたならではの価値を見つけてみてください。記事のネタにも困りにくくなります。