情報発信の”箱”としてのブログサービスの選び方

情報発信を始めようとしたとき、まず考えるのは、どこで発信するかです。その場所を私は「箱」と呼んでいます。箱とは、自分の言葉で自分の事業を伝えるためのブログのことです。
この記事では、個人事業主や経営者の方が、最適なブログ(箱)を選ぶための指針をご紹介します。私が実際に自分でどう選んできたかもまじえながら、無料・有料の選択方法などをまとめます。

ブログサービスを選ぶ前に、考え方の前提
長期的な視点での箱の価値
ブログという「箱」は、長期的な情報発信の基盤となります。SNSなどの流動的なメディアと違い、自分の言葉が蓄積されていく場所ですので、長く続けて記事が増えれば増えるほど、ブログの価値は上がっていきます。

事業目的でブログを運営する場合
事業目的でブログを運営する場合、最終的には自分のドメインを持つことをおすすめします。ドメインとは、インターネット上の住所のようなもので、このブログのURL、まてぃさんどっとこむ、もそれに当たります。
▼これがドメインです
matty3.com
しかし、最初から完璧な箱を作ろうとするあまり、肝心の情報発信が遅れてしまうのは避けたいところです。
何より重要なのは、「やろうかな?」と思ったら、すぐに始めることです。ブログは書いてもすぐに効果は出ません。まずは無料ブログでいいので、記事を書き始めたいところ。並行して有料のブログを準備し、コンテンツが充実してきたら移行すればいいのです。
どのブログでも移行ツールは用意されていますので、その移行作業自体はそれほど難しくありません。
書いてどのくらいで人が来るようになるか
イメージとしては、人が集まり始めるのは、15本程度の記事を書いた3か月後くらいからポツポツ来る感じです。仮に週に1本、月4本で記事を書くペースだと、人が集まり始めるまでに約12ヶ月かかるイメージです。
ちなみに、私がこのブログをまじめに更新し始めたのは、2025年1月6日からです。それから3か月弱経っていますが、月に15-20本書いて、2か月経過したころから、人の来る数と頻度が上がってきました。私はSNSをやっていますので、そこからの流入も大きいです。
記事の更新ペース | 人が集まり始める目安 | 備考 |
月4本(週1本) | 約12か月後 | 継続が重要 |
月15-20本(週4-5本) | 約2-3か月後 | SNSからの流入も影響 |
事業用のブログ記事の文字数の目安は、最低でも1,000文字以上、SEOの効果を求める場合は3,000文字を超えることが理想とされています。800文字以下の記事は、文字数の少なさでGoogleで低品質コンテンツと判断されます。ちなみに、この記事は5,400字ぐらいあります。

事業向けブログの種類と特徴
ブログには大きく分けて、無料ブログと有料ブログがあります。それぞれの特徴をざっくりまとめます。ブログは様々なサービスがありますが、お客様が事業用に始めるにあたり、実際にご提案しているものとなります。
無料のものもご提案しますが、一時的な利用を想定しており、有料に移る前提でのご提案が多いです。

ご提案している無料ブログは2種類
私がおすすめするのは、noteとはてなブログです。どちらもシンプルな作りで、他のブログサービスに比べると広告に邪魔されにくく、読むことに集中しやすい環境です。
ただし無料なので広告は出ますし、他コンテンツへの導線があちこちに張り巡らされていますので、長期的な利用はおすすめしていません。
サービス名 | 特徴 | 商用利用 |
---|---|---|
note | ・シンプルなインターフェースで、文章を書くことに集中できる ・SNSとの連携がしやすい ・記事の有料販売が可能で、収益化の練習にもなる | 可能 |
はてなブログ | ・初心者でも使いやすいデザイン ・同じ趣味を持つ人との交流がしやすい ・はてなブックマークによる拡散も期待できる | 可能 |
無料プランは始めやすいが、制限も多い
無料ブログの最大のメリットは、すぐに始められることです。アカウントを作成して数分後には、最初の記事を公開できます。しかし、無料ゆえの制限もあります。
繰り返しになりますが、自分のブログ以外に誘導する導線があちこちに張り巡らされているため、離脱率が高いです。
アメブロはだめですか?
だめではありませんが、おすすめはしません。アメブロは、ノイズが多すぎるのです。アメブロが運営している有名人ブログ、広告がらみのサービスに加えて、広告。これだけでももうお腹いっぱい感がすごくて。
事業のためにブログを始めた場合、通りすがりのユーザーに文章を読んでもらえるかどうかがとても大事になります。その場合、文章を集中して読んでもらいやすい画面構成になっているかどうかは、けっこう重要です。スマホでアメブロの画面を開くと、表示されるものが多すぎるのです。自分の記事以外のものが。
取り扱うジャンルによっては、アメブロが強いものもありますから、どうしてもやりたい場合はもちろん止めません。
ご提案している有料ブログは2種類
有料ブログは、ドメインを取得し、サーバーを借りて、自分でWordPressなどのブログを構築するタイプを指します。私が今おすすめするのは、このふたつです。
サーバー名 | 特徴 | 月額料金(税込) | 商用利用 |
---|---|---|---|
WordPress | ・高度なカスタマイズ可能 ・SEO対策に優れている ・プラグインで機能拡張可能 | 無料(サーバー代別) ※テンプレート利用の場合、買い切りが多い | 可能 |
はてなブログPro | ・使いやすいインターフェース ・SEO機能が強力 ・アフィリエイト可能 | 1,008円(税込) ※年間コースなどあり | 可能 |
WordPressの管理ができる(したい)方にはWordpressを、そこまでできない方にははてなブログProを、おすすめすることが多いです。
有料ブログは自由度は高いが、管理コストもかかる
有料ブログの最大のメリットは自由度の高さです。デザインやカスタマイズ、収益化など、ある程度思い通りにブログをつくれます。
とくにWordpressの場合、初期設定、継続的な管理・メンテナンスには時間とコストがかかります。HTMLなどの知識がなくても始められますが、少し学ぶ必要があります。また、セキュリティ対策についても自分で行う必要があります。それが難しい場合は、専門家に定期的に相談できる環境をもてると安心です。

私自身は何をどう選んでいるか
私自身、2000年ぐらいからずっと、無料ブログと有料ブログの両方をつくっては壊してきました。いちばん最初につくったのは、Yahoo! のジオシティーズです(笑)。
無料・有料ブログを試した経験
無料ブログは、確かに手軽に始められますが、とにかく離脱率が高いです。簡単に始められる反面、プラットホーム側(運営会社)が見せたい広告記事や人気ブログへの誘導があるため、ユーザーを自分のコンテンツに集中させることが難しいです。そして、自分もいらいらします(私だけかもしれませんが)。
有料ブログは、お金のかけ方によって違いますが、費用をかけたからといって必ずしもうまくいくわけではないのが難儀なところです。
私が選んでいるのはWordpressの有料テーマ
現在、私が選んでいるのは、Wordpressです。Wordpressは無料で使えますが、そこに「テーマ」というデザインテンプレートを組み合わせて使います。私はHTMLを多少読み書きできますが、詳しいわけではありません。そのため、困ったときにサポートがあることを重視しています。
WordPressが無料といっても、無料にも2種類あります。ひとつは、サーバーなどの契約がいらない、Wordpressが提供する無料サイトで運営する方法。もうひとつは、自分でサーバーやドメインを用意し、そこにWordpressをインストールして、無料のテーマを使う方法。
以下の話題は、私が事業用に自分でサーバーを借りて、ドメインを設定し、Wordpressに有料テーマを使っています、という話です。
有料テーマを選ぶ基準
私が選ぶときには、次のような考え方で選んでいます。
- HTMLが書けなくても管理・運用できる
- アップデート対応の難易度が低い
- シンプルなデザインを選べる
- ヘッダとフッタがシンプルにできるが、カスタマイズもしやすい
- 記事の前後にウィジェット挿入がしやすい
- リニューアルする際、なるべく手間が抑えられそうなもの(希望含む)
- 困ったときに相談できる場や窓口、マニュアル等があるかどうか
現在は「JIN:R」というWordpressの有料テーマを使っています。「テーマ」とは、デザインのテンプレートのことを言います。その前は、「AFFINGER」というテーマを使っていました。
「AFFINGER」はプラグイン付きの戦略的パックを追加して買うと、私が買ったときは5万円ぐらいでした(2020年)。でもこちらはちょっと知識がないと管理しきれなくて、私には難しいなあと思って、リニューアルのタイミングで「JIN:R」に切り替えました。私にとっては、こちらのほうがわかりやすくて、扱いやすいです。
「AFFINGER」も「JIN:R」も作者が詳細のマニュアルを公開しています。また、コミュニティをつくっていて、そこで相談することができるのもうれしいポイントです。
WordPressの管理で困ったとき、エンジニアに依頼すれば相談に乗ったり、ちょいちょいっと修正はしてくれたりしますが、同じ会社の社員ではないので、都度依頼するとちりつもでまあまあ大きな金額になります(笑)。ですので、有料テーマを購入するときは、自助システム(マニュアルやコミュニティ)があることを私は重視しています。
最初はわからなくて困っても、調べているうちに勘所がわかってきますし、自分で対処できる問題の範囲もある程度わかってきます。それを繰り返すうちに、対応しきれないかどうかがわかるようになるので、ダメなときは早々にあきらめて、エンジニアに相談します。
※2025/4/2追記……私が使っているのは、「JIN」ではなくて「JIN:R」のほうでした。失礼いたしました。修正しました。

WordPressの無料テーマを使わない理由
長く愛されている無料テーマ(デザインのテンプレート)は海外の方が手掛けているものが多く、おしゃれテーマなどもあって、「無料でいいじゃない」と目移りします。で、おしゃれテーマを設定して、日本語を流し込んでみると、微妙にダサいんですよね。その微妙さが微妙に許せないというか(笑)。
WordPressのテーマを選ぶ上で大事なのは、読みやすさと、目的に合った使い勝手が整っているかどうかです。
15年以上Wordpressを使っているのですが、自分で作っては壊しながら無料と有料を使った結果、目的に合った有料テーマを使うと、管理が楽だと感じています。そのため、個人ブログの場合は有料テーマを使うことに決めています。
とくに、アフィリエイト(※ブログに広告を掲載して利益を得るしくみ)対応の有料テーマは、工夫が凝らされていて使いやすいと感じています。開発者自身がアフィリエイター出身だと、小さな気遣いがあちこちに配置されていて、読みやすさと使いやすさがすばらしいです。
そういう意味で、「JIN:R」と「AFFINGER」は群を抜いています。
実際に使用しているもの
- ブログはWordPressの「JIN:R」というテーマを利用
有料テーマを選択。「JIN:R」はシンプルで使いやすく、メンテナンスもしやすい点が気に入っています。ご覧のとおり、シンプルなデザインにできるのも◎。また、作り手の顔が見える、かつ、サポートサイトが充実している点も選定理由のひとつです。
WPテーマ「JIN:R」 - 自社サイトはHubspotのブログシステム(CMS)を利用
WordPressを自分で管理すると、サーバーの更新やWordpressのバージョンアップに対応する必要があります。私はサーバーに詳しくないので、その辺が面倒で、せめて自社サイトだけでもその手間を省きたくて、Hubspotのブログサービス(有料)を使っています。
ただし、料金プランによってカスタマイズできる範囲が決まっており、これはこれで使い勝手が悪い部分もあります。
Hubspotブログ
WordPressを選ぶとどのくらい費用がかかるか
ちなみに、Wordpressを選ぶと費用がどのくらいかかるかもよく聞かれますので、ここに書いておきます。たとえば、今の私のこのブログは、以下の費用がかかっています。
項目 | 費用 | 備考 |
サーバー代 | 13,200円(年間) | ※xserver |
ドメイン費用 | 1,428円(年間) | ※xserver |
WordPressのテーマ購入費 | 19,800円(買い切り) | 「JIN」 |
なにかWordpress上でトラブルやエラー、アップデート等でエンジニアの手を借りたい場合は、内容にもよりますが、1~5万円ぐらいで依頼することが多いです。ですが、その頻度は2~3年に1度あるかないかです。
サーバーは1年単位で借りています。これについては別記事で詳しく書くつもりですので、ここでは省略します。
※2025/4/2追記……私が使っているのは、「JIN」ではなくて「JIN:R」のほうでした。費用も異なるため、修正いたしました。失礼いたしました。

ブログサービスを選ぶときのチェックポイント
ということで、事業向けの箱としてのブログを選ぶポイントをまとめました。ポイントは、
- 週に何本くらい記事を書くイメージを持っているか
- そのために必要な「箱」を選ぶ
- さっさと始める
- 無料で記事を書き貯めながら、有料プランの準備をする
- 困ったときに相談できる場や窓口、マニュアル等があるかどうか
という流れです。
有料プランを選択し、自分のドメインで運営する場合、その準備も必要になりますので、次はそちらについて書きたいと思います。
▼書きました
